東京工業品取引所は24日、株式会社化に移行して初めての総会を開いた。10時から1時間20分費やして、第63期(08年4月〜09年3月)の事業報告と決議事項(取締役選任の件)が報告され、原案通り可決した。総会後の取締役会で新任取締役に選任された江崎格氏が代表執行役社長に就任した。前社長の南學政明氏は特別顧問に。
東工取の09年3月期の決算は22億円の純損失となった。25年前に在京3取引所(金・繊維・ゴム)が合併して東工取が誕生してから初めての赤字決算である。株式会社化移行に伴う会員への持分払い戻しや新システム導入への大型投資などがあったが、市場シェアーの80%を占めたこともある東工取の赤字転落に業界人の失望は大きい。
取締役の選任では南學政明氏が退任して、江崎格氏が選任された。他9名の取締役はすべて再任された。
総会での質疑では、@取引員代表の取締役を3〜5名増やせ、A定率会費の引き上げは取引員経営を圧迫する、再値上げをしない約束を、BJCCHの強化、できるならインハウス型に戻す、証券・金融と同じ清算機構へ、C2013年の上場を先送り、D取引時間の3時30分から5時までがよくできる時間帯なので、休みをなくして立会を望む、E海外の市場参加者からは、情報を求めいる人が多いので英文資料の充実を、などの要望がだされた。
◇新社長の経歴
江崎格(えざき ただし)氏1941年生まれの67歳、東京都出身。65年3月東大法卒、通商産業省入省。80年8月産業政策局商務・サービス産業室長のとき、金の上場、金取引所設立を実現する。その後、資源エネルギー庁長官、産業政策局長などを歴任して、99年9月に退官、野村総合研究所顧問、商工組合中央金庫理事長を経て、09年1月から東工取顧問、6月同社取締役・代表執行役社長。
◇新社長の挨拶
市場存亡の危機、放置できない
「東工取社長は名誉なことだが、重い責任を負ったと感じている。この1、2年大きな改革に踏み出したが、引き続さ3月の中期経営計画にそって事業戦略を推し進める」とした上で、先物市場の現況にふれ「環境は一段と厳しくなっている。取引高はピーク時の半分以下に落ち、専業取引員の経営は厳しい。何もしないで放置していけば日本から先物市場がなくなってしまう」と現状を危惧した。
そこで当面の課題として「再建に全力をあげる。最優先されるのが市場流動件の回復・向上に向けた取組、第二にクリアリング機能の強化、第三に上場商品の見直し、拡充」をあげ、流動性向上に向けた取組ではこの10月にもマーケットメイカー制度を導入する予定。外国からの資金導入を図るためにリモートメンバーシップやダイレクト・マーケット・アクセスの導入などが検討(日本の会社法、外国の規制=政府間調整などの問題あり)されている。
なかでも取引参加者とのコミュニケーションを強化して営業マーケティングに努める考え、「かつては取引参加者の望む方向が一致していたが、現在は外資あり、商社、専業ありで意見が一致しない。だからコミュニケーションが大切」
クリアリング制度は「万全なシステムでなければならない。インハウス型への移行も含めた大胆な改革が必要だが、時間がない。年内にも方向性を出す」としている。
最後に「東工取として創業25年という節目の年。出来高の減少に歯止めをかけ、新たな飛躍のスタートの年にしたい」と抱負を述べた。