◇2011年話題のその後 MF、ひまわり、HFT規制、コメ ──
◇"先物寸言" 民主主義と市場主義
◆"焦点" 「ジャパンストッピング」の時代に 相次だデリバティブ関係者の来日
◆"談話室" システムによるFX裁定取引の魅力
STI Weaith Management代表 トン・クレメント氏に聞く
2011年話題のその後
MF、ひまわり、HFT規制、コメ──
2011年も、内外先物市場では様々な事件と話題があった。幾つかの話題については、その都度追加取材などでその内容を確認してきたが、中には今も作業中の話題も少なくない。年末を迎え、今回は2011年に本紙で紹介した幾つかの気になる話題のその後をご紹介する。
(益永 研)
<MFグローパル破産>11月月14日号一面両参照
12億ドルの謎、CFTCはほぼ解明か?
12月13日、米議会農業委員会でMFグローバルのジョン・コザイン社長と財務最高責任者のヘンリー・スティンカンプら3名とCMEグループのテレンス・ダフィー社長らが証言した。同社破産後、CMEの同社分離保管口座で、約6億3300万ドルの不足金が発覚したが、その後の調査で顧客資産の行方不明の金額は分離保管不足だけでなく、合計で12億ドルに上ることが判明。
公聴会では、CMEのダフィー氏が、1億7500万ドルは顧客口座から同社が借用し、国債買付などの形でヨーロッパの関連会社などに貸し付けられたと指摘したが、3名共、「顧客資金の行方は知らない。悪用することを指示したこともない」と否定した。公聴会では、資金の出し入れ等について、現場責任者は誰かと激しい追及があったが、これについてもスティンカンプ氏は「分らない」と答えるなど、責任体制の不明瞭さが明らかになった。
CFTCは12月14日、この不足金の行方について「ほぼ全容を把握した」と発表したが、詳細は明らかにしていない。ちなみに破産裁判所は、同社の米国先物市場の顧客について12月9日、新たに22億ドルの払い戻しを認めた。これにより、米国口座の72%が返金されたことになるという。また14日には、香港の顧客に対しても6400万ドルの返還を認めている。
<ひまわりホールディング>3月28日号一面参照
ISホールディングが筆頭株主に
今年3月11日の東日本大震災後の日経225オプション市場の急騰で、約80億円の未収金が発生したひまわり証券は、みずほ銀行などからの借り入れで経営継続を図ってきたが、為替市場の低迷などから自己資本規制比率が悪化。11月10日に、外為オンライン、アイネット証券、ライブスター証券などを傘下に抱えるISホールディングの出資を仰ぎ第三者割当による増資に踏み切った。
今後は、ISホールディング・グループの取引システムを共有することで従業員数を大幅削減、カウンターパーティーも外為オンラインに絞って収益回復と借入金返済を目指すことになった。ブローカーとして、マーケットの変動と顧客の資金リスクに備えた管理体制の必要性に改めて警鐘を鳴らす結果になった。
<HFT>(ハイフレクエンシートレード)6月13日号一面参照
FIAがATSトレーダーの監視を提言
米国では「ハイフレクエンシートレード」について、CFTCがパブリックコメントを求めるなど「定義」づけを進めているが、これに対し、12月13日、米先物業協会がCFTCに対して個人ではなく、取引所に直接システムをつないで自動的に発注する(ATS)トレーダーに重点を置く監視の方が適切との提言書を提出した。
大手30数社のアルゴリズム取引会社を会員として抱えるFIAは、これらのトレーダーたちの取引記録は、米国の取引所の大半で個々のトレーダー(ID)で監視可能である上、売買譜も詳細作成されており、CFTCが今後監視監督する上でも参考になるとしている。どこまでを規制対象とするのかが、CFTCの今後の命題だが、すべてのトレーダーの監視を常時続けるのは困難であり、コンマ1ミリ秒以下のスピードで一度に大量の発注を行う自動売買化されたものを監視すればよいのではないかというFIAの提案は一理あるとも見られている。
<新規顧客勧誘規制>11月21日号一面参照
インターネット活用を
「不招請勧誘禁止の見直し」(11月21日号)についてはその後、団体関係者などから「紛議件数が減少したから、農水省として不招請勧誘禁止の見直しを検討するとも読める。それは誤解を招く恐れがある」とのご指摘を頂いた。不招請勧誘の禁止は法律で定められたものであり、現時点で、その改正までを期待するのは困難でもある。業者サイドに、記事による誤解は無いと思われるが、この場を借りて、不招請勧誘禁止撤廃等の「見直し」はあり得ない点、確認させていただきたい。「営業の自由」を望む声も依然根強く、外務員がいる商品先物会社の多くは、証券・くりっく365など一度の電話・訪問勧誘が認められている商品への転向も目立つ。CXについても、目下の与えられた規制の下で、スマートCXや金現物の営業などで、新たな顧客を開拓していくことが望まれている。
新規顧客開拓については11月14日号の「FX業界:アフィリエート広告規制」でも触れたが、FXの新規顧客はインターネットの「ランキングサイト」などから参入してくるケースが大半だという。記事を読んだFX関係者からは、「それでもアフィリエート利用は止められない」とも聞かされた。電話・訪問の対面営業がゼロのFX世界では、何をしているのか。FX会社のマーケティングには今後も注目していくと共に、CXについても、インターネットでのマーケティングをさらに積極的に進めるべきだと思われる。
<コメ先物>8月8日号一〜三面参照
取組高4千枚回復
今年の商品先物業界で最も業界関係者の関心を呼んだのがコメ。農業団体の反対は事前に予想されていたことだが、スタート後は予想以上に取組高が増えず、東京穀物商品取引所のコメ先物も10月7日に4098枚を記録後は、11月6日には3178枚まで落ち込むなど、心配された。
しかし取引参加社の営業活動と当業者向けセミナーなどにより、12月7日の取組高は2ヵ月ぶりに4156枚と4000枚台を回復した。また12月6日には12月限の早受渡しも成立した。12月7日現在の「12月限早受け希望」枚数は17枚(204トン)と、「現物の仕入先・販売先としての取引所が認知されつつある」(商品先物会社法人部関係者)ようにも見える。コメが成功しなければ、商品先物市場にとっては大きな打撃となる」(業界関係者)という声も聞かれ始めている。来年の成長に期待がかかる。
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おことわり
編集の都合により、12月26日付を休刊します。
本号をもちまして、本年の発行はすべて終了します。この1年のご購読ご愛顧をまことにありとうございました。
来年が皆様にとりまして良き年となりますよう祈念します。
なお、1月1日付で新年特集号を発行し、通常号は1月16日号から発行いたします。 |
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