◇FX業界 アフィリエイト広告 自主規制ルールを策定へ
◇"先物寸言" コメと個人投資家
◆"焦点" MSグローバル・ホールディング破産
消える専業先物ビジネスモデル
◆"先物文化" スモールワールドと情報伝達
FX業界 アフィリエイト広告 自主規制ルールを策定へ
今年3月から「アフィリエイト広告ワーキンググループ」で、FX業界におけるアフィリエイト広告に関する自主規制ルールのあり方を5回にわたって議論してきた金融先物業協会が今、その取りまとめを急いでいる。施行時期はまだ不明だが、当初の予定では7月中にこれまでの議論を中間整理し、監督官庁の指針等の改正案を加えた上で調整するスケジュールだった。幹部会を経て、早ければ年内にも公表される可能性もある。
(益永研)
ネット広告規制は社会の流れ
インターネット上での広告表示については、日本証券業協会も6月14日、「ソーシャル・ネットワーク・サービス(SNS)を利用した広告に関する規制のあり方について」を公表。10月28日には、消費者庁も「インターネット消費者取引に係る広告表示に関する景品表示法上の問題点及び留意事項」を公表するなど、各方面で改めて検討が進んでいる。
背景には、世代を超えて広がったインターネット社会の中で、行き過ぎたアフィリエイト広告やSNS利用についての問題意識の高まりがある。
個人ブログから法人サイトまで数多いアフィリエーターの中には近年、コンプライアンス上問題のあるアフィリエイトが増加しているのも事実で、消費者庁に寄せられるネット広告に関係するトラブルも増加の一途をたどっている。
FX取引についても、一部には、業者から対価をもらってランキング上位に据えるサイトが指摘されたり、あるいは他人になりすまして、ネットを通じて他業者の誹誘中傷をするといったアフィリエイトなども話題になっている。
それでなくても、本来は登録が求められる個人向けの金融商品販売業だけに、無登録のアフィリエーターが運営するサイトに登録業者がバナー広告を掲載し、その広告から資料請求など口座開設に結び付けば広告主から成功報酬が支払われるというこれまでのアフィリエートプログラムについては、いずれ何らかの注意喚起がされるはずとの声はかねてから多かった。
ネット広告規制は社会の流れといっていいだろう。
強まる業者の管理責任
金先協会が昨年FX業者上位27社を対象に実施した「アフィリエイト広告の利用状況等に関する調査結果」によれば、「アフィリエイト経由の新規口座開設」は全社が利用している。しかも、内8社は、新規口座総数の70%〜90%がアフィリエイト経由の口座だった。
くりっく365を除いてFXも商品先物と同じ「不招請勧誘禁止」。そうした勧誘規制の下で、FX業者にとってこれまで、アフィリエイト広告が、新規口座獲得のための最大のツールになってきたことは間違いない。そして、それ以上にコンテンツを通じて様々な課題を提供することで、FX投資の普及啓蒙を積極的に助けてきたパートナー的存在でもある。その点、過度なアフィリエイト規制は今後のFX市場にとってマイナスになる恐れもある。
しかし、その点はそれほど心配しなくてもよさそうだ。
今回のワーキンググループに参加したあるFX業者が言う。
「アフィリエイト利用は今後も続けられる。自主規制ルールは、あくまでネット広告利用について、業者と投資家両方に注意喚起することが目的だ。むろん、バナー広告については、他の出版物と同様、自社広告としてきちんとコンプラの審査を受けることや、コンテンツについての判断も、広告代理店任せでなく最終的にはFX業者自身が判断することなど、最終的にはこれまで以上に、FX業者の管理責任が重くなる方向でまとめられると思う。アフィリエイターのコンテンツについても、過度なPRや呼び込みなどが無いかどうかチェックするのも最終的にはFX業者。ワーキンググループでは、他にもバナーから入ってきたお客様に、もう一度リスク説明やFXの仕組みなどが分る受け皿を整えることや、アフィリエイトに問題があれば、速やかに停止できるような契約作りなどについても話し合われた。それらすべてが反映されるかどうかは分らないが、内容的には、これまで多くのFX会社が自身でやってきたことを、ルール化することで、お客様にも注意を促すというものになればいいと思う」。
ここ数年間、アフィリエイトの成功報酬が以前より高くなったことで、積極的に顧客の背中を押そうとするアフィリエイトが少なくないという指摘もある。そういうアフィリエイトにはいずれ、仲介あるいは媒介業者としての登録を求めることも考えられているという。
FX業者はもともと、証券会社並みの厳しいコンプライアンス体制を構築してきている。インターネット取引主体の会社が大半なだけに、インターネットの世界でめまぐるしく変化を続けるアフィリエイトたちととう付き合っていくかは、今後も大きな課題になるだろう。 |