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私、金は現物派です
米艮 周
「最近、中央銀行マンへの批判の声は数多いが、ひとつの中央銀行は正しい行いにある−少なくとも顧客によく仕えていると思う」
英紙ファイナンシャル・タイムス(6月27日付、ファンド・マネジメント・インダストリー特集にあるジョン・ディザード氏の「リビア、正しい種類の金に照準合わせる」と題する記事の書き出し部分である。
行い正しい中央銀行とはリビア中央銀行(CBL)。CBLは内戦・NATOの活動活発化の時点で140トン以上の金準備を保有していたとされ、その金の管理は正しい方法で実行されたと記事は指摘している。
典型的なMBA(経営学修士が運営する確立された中央銀行は400トロイオンス(12.4キログラム)のバーをBIS(国際決済銀行)か、欧州中央銀行システムのメンバーのどこかの金庫に入れておく。国連のエンバーゴなど敵性ありとされると引き出しが不可能となる。
さらに、現物を手にすることができたとしても、“ロンドン・グッド・デリバリー(ロンドン受け渡し基準)バーは事実上は60万ドル以上の巨大コインに相当する。それを密輸の武器の輸送と石油あるいは傭兵会社への支払いに充てることはむづかしい。売り手側はしばしば妥当な交換に応じない。ましてミニETF(上場投資信託においておやだ。
だが、CBLは事前に準備していた。欧州の製錬業者から教えられた。「他の中央銀行と異なり、CBLは1キロバーと500グラムバーを買い付けた。そして、トリポリに積み出すよう求めた。この行為は政府がいま一定の支出を要するのに役立っている」、「そう、5万と2万500ドルの“コイン”ははるかに便利だ」
現物金に執着する人は隠し武器庫を持つ変人だけではない。一部の人はそうかもしれないが、今“(こんにち)の世界の真のリスクに備えている(ヘッジング)人々である。
欧州での地金、コインの人気はユーロ圏の流動性危機への恐れゆえであろう。こうした現物需要に応じた精錬所の収益をぐんと向上しているらしい。金ETFの資産増大、金デリバテブの出来高増といっても地金、コインの売れ行きの伸びには及ばない。
千元に、換金しやすいサイズの現物金を─リビアの中央銀行マンの行為は「国乱れて金による」という長い歴史を持つ欧州の個人投資家の現物保有熱にいまよみ返っている。
あるいはリビアの中央銀行マンは欧州の金の歴史に学んだのかもしれない。
「金は現物こそ」
この視点からみると、金ETFは現物金の裏付けがあるにせよ、引き出しには手間とひまがかかり、いざへの即応性に欠ける。
金先物はどうか。マネーゲームを楽しむのならいうことはない。
だが、金先物は受け渡しを通じて金現物につながる。現物金の顔も合わせ持つ。
保有金売却=刻々変わる時価に合わせて容易に換金できる。
金購入=一般の現物商の価格体系に比べ、手数料率が低い。
(売り買いいずれも倉荷証券での受け渡しとなる分、現金化、現物化にはその分手間を要する)
個人投資家にとって先物市場を通じてより現物金に近付き易くなるためには@ミニ金100グラム)にも受け渡し機能を持たす(現物バープレミアムが上乗せされる100グラムバーは当然キロバーより割高でいい、一物二価には当たらない)Aキロバー取引でも受け渡しは受け方希望で500グラムバー2本にすることも可を提案したい。
リビアの中央銀行にならって顧客ニーズに忠実でありたい。 |