アジアの新興成長企業増加に拍車
アセアン証券取引所の発足もまた、ASEAN諸国の証券取引所における域内クロスボーダー取引を増やすことを目的としたもので、具体的には2009年4月に決定された「ASEAN資本市場統合実施計画」に基づいて進められてきた。
背景にあったのは、米国のサブプライムローンの破たんによる欧米型金融モデルへの見直し。そして、アジアの急成長だった。新興成長企業が増えると予想されていたため、「アジアの金融市場はこれから」との意識が急速に高まり、各取引所が協力することにより、投資家の利便性を高め、上場企業の数を増やすことが、アジア市場を活性化させることにつながると判断された。
実際、今回のアセアン証券取引所においても、アジア独自の証券発行時の情報開示基準の統一(ASEAN and Plus Standards)など、電子取引化時代の新しい市場作りの試みも見られる。
とはいえ、アジア各国にはそれぞれ歴史、文化、宗教に違いがある上、複雑な政治状況も抱えている。経済も国によって温度差がある。
政治的にも経済的にも混迷のさなかにあるわが国だが、金融先進国の一つとして、今後、アジア各国と共に新たな発展を求めるためにも、こうしたアジアの新市場の育成に積極的に取り組むことが期待される。