平成23年月28日(月)(毎週月曜日発行)第1082号
      発行所 有限会社 先物ジャーナル社
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日本テクノシステム


 
◇ひまわり証券=震災による日経225暴落で証券業務から撤退
  オプション売り手の損失と多額の立替金が原因に
◇"めらの目"商品パニック売りは3日(14〜16日)
◇"先物寸言"コメ先物上場の光と影
◆商品先物振興協会=被災者義援金に100万円
◆日商協=11年度会費2億9400万円に減額
◆"アングル”
 ・イラン、密かに金準備積み増す 米向け電信リーク
 ・金準備、カダフィ大佐の金融の命綱
 ・金のさらなる上への確信ゆらぐ バークレイズ・キャピタル調査


ひまわり証券=震災による日経225暴落で証券業務から撤退
オプション売り手の損失と多額の立替金が原因に
  
 3月17日、ひまわり証券が証券事業(株価指数先物・オプション取引、現物株取引、信用取引、投資信託、大証FX)からの撤退を発表した。3月11日の東日本大震災による14日、15日の株価暴落を受けて、日経225先物が暴落し、多数の先物投資家が損を出した。また、ボラティリティの増大で、オプション市場のプレミアムが暴騰。多数のプットの売り手が損失を蒙るなどして、同社には多額の立替金が生じていた。このため、黒字事業である外国為替証拠金取引に注力するため、撤退を決めた。
  
 プレミアム高騰と追加証拠金でプットの売り手が壊滅
 「津波に飲み込まれました」。
 ひまわり証券のある関係者は、今回の証券事業撤退の理由について、ため息混じりにこう語る。日経225先物の暴落はもちろんだが、それ以上に大きく動いたオプション市場もまた津波のようだったと彼は指摘する。
 「オプション市場はここ数年、ボラティリティの低い相場が続いていたので、上手に売れば取れましたが、今回の震災は、特にプットの売り手にとって、まさに想定外だったと思います」。
 実際、地震発生から翌週15日までの、日経225オプション市場の動きは激しかった。個人投資家であり、日経225オプションの売り手としても知られる長友哲郎氏によれば、「震災直後の11日のイブニングのプット9750円の寄り付きのプレミアムは180円(1枚18万円)でした。それが14日の終値では505円(1枚50.5万円)、さらに強制決済されたであろう15日の12時半過ぎには一時2000円をつけました。何と1枚のプレミアムが18万円から200万円となったのです。買い手は大儲けですが、売り手から見れば、金曜日の大引けから2日間で、たった1枚で182万の損失となったわけです」。
 長友氏自身は、40円ほどで仕込んでいたプット売りを11日のイブニングに、180円で決済してマイナスを抑えることができたというが、「決済せずに持ち越した投資家は、大変な揖失となったでしょう」と言う。
 氏によれば、平常時の日経225オプションのプレミアムは、現物が1万円に対して500円下の権利行使価格9500円でも150円程度(残存期間が同じくらいの場合)。それが15日には、平常時ならまず値段がつかないはずの5500円のプットも終値で80円であった。現値から3000円も離れているのにこんなプレミアムがつくことはめったにない。まったく想定外の津波相場だったことが伺われる。
 
 追加証拠金と強制決済
 売り手とそのブローカーにとってさらに不幸だったのは、14日大引け以降に多額の追加証拠金がかかったことだ(ひまわり証券は15日に、証拠金額をSPAN証拠金100%から500%に引上げ、他社も200%〜300%まで引上げた)。「この結果、それまでは単純に1千万円でまかった証拠金が、1億以上必要になったという投資家もいた」(証券関係者)というほど、1日で一気に必要証拠金が増加したのだ。
 追加証拠金は通常、次の日の正午までに入金しないと強制的に決済される。そして、15日の午後には強制決済が相次ぎ、ひまわり証券以外の証券会社の中にも、数十億円規模の立替金、未収金が発生したケースがあるとも見られている。証券業界の中には、「強制決済を行っても顧客から支払い不能となるケースもあり、それが今後、自己資本規制比率にも影響してくる会社が出てくる」とみる関係者も少なくない。
 ひまわり証券は、そうした状況を踏まえ、証券事業から撤退することを決めたとみられているのだが、仮にFX事業に時化するにしても、金融一種の登録維持のためには、自己資本規制比率の維持が絶対条件であり、未収金の回収など、まだまだ苦闘は続くとも見られている。
 ちなみに、今回の異常な相場変動の中で、ひまわり証券以外の証券会社の多くも14日、あるいは15日には、日経225オプション取引の新規売建玉の上限をゼロ、つまり、禁止する会社が多かったが、中にはSBI証券のように、建玉制限はあるものの、売りを継続して認めていた証券会社もある。
「資金力がある会社が生き残ることを改めて実感させられた」(証券会社関係者)一例ではある。
 (2011年3月28日―第1082号)
              

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