◇東穀取・関西取=コメ先物上場を再申請
「生産地市場」実現に期待の声
◇"先物寸言"問題の一般化
◆コメ先物取引要綱案
◆東証=ETF 100銘柄上場を達成
◆"先物文化"先物市場のイノベーション
◆"アングル”
・OPECメンバー、石油生産量引き上げを急ぐ
・アラビカコーヒー、34年振り高値─高値維持の予想
東穀取・関西取=コメ先物上場を再申請
「生産地市場」実現に期待の声
東京穀物商品取引所・関西商品取引所は3月8日、コメ先物取引の試験上場を農林水産省に申靖した。3ヵ月間の公示を経て、農林水産省が試験上場の認可・不認可を決定する。両取引所が提案している標準品は、東穀取が「関東産コシヒカリ」(茨城、栃木、千葉県産)、関西商取が「北陸産コシヒカリ」石川、福井県産。これまで国内商品先物市場の主要取引銘柄は輸入商品が大半を占めていただけに、久しぶりの生産地市場の実現に、証取業界の期待も高まっている。
まずは「指標市場」に
現在、中国だけで、60社以上のゴムの当業者を顧客に抱える大手商品先物会社関係者も、こう語る。
「現在、国際的に通用する日本の商品市場はゴムだけ。ゴム先物市場の規模は、すでに、上海が日本の100倍になっているが、それでも日本のゴム価格は受渡しも含めて、「指標」として中国人にも利用されている。たまたまコメ上場再申請が発表された翌日、東京工業品取引所のゴム市場は、40円以上の暴落に見舞われたが、上海市場もそれに連動したおかげで、ヘッジを目的とする中国のゴム当業者からの注文が多く入った。それは、東京市場に指標市場として魅力があるからだ。コメは、大豆やコーンと違って、日本独自の「生産地相場」が期待できるだけに、その指標性が一度認められれば、アジアでも利用される可能性は高いだろう」。
このコメントにもあるように、ゴムについては、今では東京だけでなく、上海あるいはシンガポール(SICOM)両市場を利用するアジアの当業者も増えてはいる。しかし、それでもこれまで長年にわたって世界唯一のゴムのヘッジ市場だった「東京ゴム市場」の魅力は今も、アジアを中心に生きている。
コメも、アジアの指標市場として成長することを期拝したい。
流動性拡大には不安も
とはいえ、コメへの期待が大きい一方で、その流動性について不安視する声もある。
最も多いのは、「個人を対象とする新規獲得が困難な状況だ」(商品先物会社関係者)というものだ。
今年に入って、商品市場の出釆高は増加傾向にあるが、その理由の一つは、SPAN証換金の導入にあると多くの商品先物関係者は言う。
「両建て玉の証拠金が小さくなったために、取組、出来高ともに増えたが、新規件数に、際立った増加は無い」(同)という関係者も少なくない。「不招請勧誘の禁止が最大の原因」(同)だが、といって、不招請勧誘禁止の適用除外であるスマートCXによる新規獲得件数も、証拠金が高いため、伸び悩んでいるのが実情だ。
こうした背景から、対面営業中心の会社は今後も、金現物や東京金融取引所の「くりっく365」など、それが許きれている商品の営業に力を注ぐ意向にあり、それらの会社のコメ受注には多くを期待できないとも見られている。
一方で、インターネットによる新規開拓も、「今年からFX業界を参考にして、SEO対策を強化しているが、『商品先物』では、なかなか成果が出ない」(商品先物会社関係者)という。
インターネット中心のこうした会社からは、「月間の新規件数は対面時代よりも増えている。しかし、それが他社からの移動か、純粋新規かは不明だ。本当はFXの投資家など、若い投資家層に口座を開いてもらいたい。コメは歴史があり、誰もが知っているという点で、PR次第で、起爆剤になる可能性がある。そのためには、東穀取には、例えば、取引時間を午前4時まで延長して欲しい」という声も何かれる。
FXは8月からまたレバレッジが下がって25倍になる。証拠金額も増えるので、FXをあきらめるという夜間取引専門のサラリーマン投資家も少なくない。確かに「可能性」はあるだろう。
他にも、コメの啓蒙については、幾つかのアイディアが聞かれたが、それもこれもコメ上場が認可されるかどうかにかかっている。農水省の決定に注目したい。 |