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米デリパティブニュース レター「MRW」の魅力
益永 研
 米国シカゴで編集されているデリバティブ専門電子メールニュースレター「Markets Wiki」のページビューが今年1月、月間60万を超えた。同ニュースレターの主催者はジョン・ロシアン氏といい、筆者が2001年に初めてシカゴで知り合った当時は、マン・フィナンシャルのギャランティードIBであるプライス・フューチャーズ・グループという先物会社の営業部長だった。
 その頃、ロシアン氏は、欧米の通信社や新聞社、各種先物雑誌、ニュースレターのインターネット上に公開される記事を個人的にクリップして「John Lothisn Newsletter」を作っており、それを無料で知人たちにメール配信していた。先物取引を投資家に営業するIBの営業担当役員だったにも関わらず、いわゆる「営業マンの相場情報」でなく、CFTCなどの規制当局や取引所の動きに関する記事を中心に紹介していた点が新鮮だったこともあって、即座にメール配信をお願いし、以来、毎日、参考にさせて頂いている。
 氏は数年前に、このニュースレターを独立させ、編集スタッフも雇って「Markets Wiki」を創刊。現在は、欧米主要取引所やシステム会社など20社余りのスポンサーもついて、地方紙に掲載されている相場物を含めて、およそ欧米で書かれたデリバティプに関するニュースはすべて網羅するポータルに成長している。
 2月8日の同ニュースレターにクリップされている記事をざっと紹介すると、デリバティブ専門のISVである「パッツシステム社の収益増加」といったシステム関連記事から、「商品価格はまだ上がるのか?」
「中国北部の干ばつで商品価格は上がるのか?」「商品投機に関する意見」などの相場物、あるいは、「連邦準備局がCMEのクリアリングハウスに、中央銀行からの借り入れを認める」「500頁に及ぶ金融危機に関する米国議会の報告書を金融危機委員会がなぜ却下したのか?」といった行政物まで、この日だけでおよそ120以上の記事が紹介されている。むろん、英語の記事ばかりだが、この記事の多さだけを見ても、欧米におけるデリバティブ市場の位置づけが分る。できればわが国の政府関係者や当業者の方々にもご覧頂きたいサイトの一つである。ロシアン氏自身、ここ数年は、各国で開催されるデリバティプ関連のコンファレンスに招待されるなど、アナリストとしても活発に活動している。
 実は、そのロシアン氏から先日、この「Markets Wiki」を2月28日から「Markets Reform Wiki」と名前を変え、次のステップに踏み出すという連絡を頂いた。「金融デリバティブは今、大きな変化の時を迎えている。規制当局、業界関係者の改革の手助けになるような媒体に仕上げたい」とのことだった。氏が営業マン時代から目指している地点までようやくたどり着いたということだろう。

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