平成22年 11月15日(月)(毎週月曜日発行)第1064号
      発行所 有限会社 先物ジャーナル社
      発行・編集人 高橋 伸幸
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日本テクノシステム


 
◇総合取引所検討チーム第2回会合
  「監督機関の一元化」を望む声が相次ぐ
    「一つの総合取引所」には反対の声も
◇“めらの目”ゼーリック世銀、通貨システム安定に金活用を提言
◇“先物寸言”取引所理事長のつぶやき
◆日米穀物ビジネス 明暗くっきり
 〜ソロスの先物トレーディング会社が米国3位の穀物商を買収〜
◆現物と先物活用した穀物戦略を
◆“アングル”
 ・Diwali(ヒンズー教祝祭日)、金上昇を支える
 ・タイの洪水、ゴムを新高値に押し上げ


総合取引所検討チーム第2回会合
「監督機関の一元化」を望む声が相次ぐ
「一つの総合取引所」には反対の声も
   
 11月9日、株式から大豆や金など先物取引まで、ひとまとめに扱う「総合取引所」の創設に向けて、政府が具体案の検討に入った。
  
 この日は、金融庁・経済産業省・農林水産省の副大臣と政務官、東京・大阪の両証券取引所、東京金融取引所、東京工業品取引所、東京穀物商品取引所のトッブらも参加し、「各省庁で規制が異なるため、運営に余計なコストがかかっている。総合取引所の設立に向けて規制を一本化する必要がある」などといった指摘が出された。同検討会では年内に課題を取りまとめる方針だ。総合取引所設立には、省庁間ばかりでなく、取引所間の意見の違いも見られるが、自見正三郎金融相は、「次期通常国会への法案提出を視野に入れている」と語り、議論を急ぐ考えを示している。
  
 課題山積の検討チーム
 本紙既報(11月8日号)の通り、総合取引所設立は、政府が6月に発表した「新成長戦略」のなかで、金融分野のトップ項目に挙げられ、2013年度までに創設すると期限も明記された。今回の検討チーム会合も、そのスケジュールに沿ったもので、NHK始め主要メディアも取材するなど注目度の高さが窺われた。しかし、参加者である取引所各トップの表情は厳しいものだった。
 今回の会合に先立ち、民主党では、「証券や商品の取引所を一気に再編・統合する」とうたい、「日本アジア取引所」(仮称)の設立を掲げた。それは持ち株会社を設立し、その下に東京証券取引所や大阪証券取引所のほか、少ない元手で多額の外貨を売買する外国為替証拠金取引(FX)を扱う東京金融取引所などをぶらさげるという案だ。
 持ち株会社には各取引所が出資するが、当初は国が株式の過半を握り、海外取引所との提携や、決済機能の共通化といったコスト削減などを主導。「経営トップは外国人でもOK」と、刺激的なアイデアも報道された。民主党では、今月中に正式にまとめ、政府に提案する方針だ。民主党が、取引所統合を急ぐのは、目下、わが国の取引所取引が低迷しているためだが、当事者である取引所関係者にとっては、統合はそれほど簡単ではない。
 この日の会議では、各取引所トップ共、「投資家が一つの取引所にアクセスすることですべての取引と決済ができるようになれば利便性は向上する」(大証・米田道生社長)ことには基本的に賛同したものの、「総合取引所ができたからといって、それだけでアジアの中核市場と認識され、取引が集中するとは考えられない」(東金取・太田省三社長)として、器を総合化する際には、まず規制、監督機関、クリアリング、システム等の一元化が必要だとの意見が共通して出された。
 特に規制と監督官庁の一元化については、「現在でも一取引業者が証券・商品を扱うことができるが、現実には監督官庁の違いによる二重規制が存在し、投資家も二重規制で、証券・商品は別口座でないと取引できないため、資金効率が低く、使い勝手がよくない」(東証・斎藤惇社長)「デリバティブ取引は、原資産は何であっても1つのシステムで取引ができる。国内に、早急に総合デリバティブ取引所を作るべき。そのためには、第一に、市場規制と監督機関の一元化が必要だ」(大証・米田社長)、「金商業者に比して規制の強い商先業者の証券市場への進出はしばしば見受けられるが、その逆は見受けられない。相互乗り入れが進まない理由は、規制と税制の不均衡がある」(東穀取・渡辺好明社長)などの発言が相次いだ。東工取・江崎格社長も、「商品先物市場には、法人、海外など新たな市場参加者を獲得する必要があり、そのためには政府にも、保護規制の見直しや、証券・金融・商品の制度間のずれの解消、銀行が商品先物を使えるような制度改正をお願いしたい」と語った。
 また一方で、「国内に取引所が1つだけとなると、競争とイノベーションがなくなってしまうので、それは避けるべきだ」(米田社長)など、「一つの総合取引所」には反対との声も聞かれた。
 仮に取引所が総合化されても、金融商品取引法と商品先物取引法の2つの法律があれば、同じ市場に3つの監督機関が並立する。「総合取引所の創設には金商法と商先法を統合し、市場、業者、監督の統合が必要」(黒沼悦郎早大教授)なのは間違いない。
 (2010年11月15日―第1064号)
              

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