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それ以外になにもなし
沼野 龍男
 10月22日早朝、東穀取の受付付近に人溜まりが出来ていた。「外務員資格試験場」の立て札があり、係員に尋ねたら約70人が受験予定とのこと。筆者は何か嬉しくなってきた。人数こそ往年と比べる迄もないが、来春には売却されて更地になっているかも知れない取引所で、新たな外務員が誕生しようとしているのだ。経験者を集めるのではなくて、新規に外務員資格を取得させる取引員があることが心強く頼もしく感じた。
 さて、10月14日、先物振興協会は「09年度の国民生活センター先物取引関連相談件数に係る調査結果」を公表した。その中で、「相談件数と出来高・外務員との関係」に注目したい。相談件数は基準年の05年度2427件が9年度は424件で、82。.5%の減少。出来高は基準年108百万枚が09中年度34百万枚で68.5%減、外務員数は基準年1万1511人が09年度3511人で69.5%減となっている。相談件数は出来高や外務員の減少の割合をはるかに超えて減っていることがわかる。05年では外務員4.8人当たり1件あった相談件数が09年度では8.3人当たり1件となっている。取引員と外務員の目的に添った努力の結果と推測される。雁雌字搦目めになりながらも、開拓や商内をしていく上で最も困惑しているのが「市場流動性の薄さ」と外務員諸兄はなげいている。顧客から大口注文の依頼があっても、小出しに場に通すことを勧めざるを得ないのだ。歯軋の極みだろう。
 9月22日より東工取が夜間立会いを始めたが、これに先立って江崎社長は「1日当たり1万から2万枚増を目指す。1万枚増で東工取の年間収益は2.5億円が見込める。それ位の枚数が出来なくては話にならない」と皮算用。10月5日の定例記者会見で東工取は、延長の23時から翌朝4時迄の出来高状況を発表した。9月22日から10月4日迄の8日間の1日平均が6173枚。時間毎では23時から翌1時迄の2時間にほぼ集中していること。外務員をアドバイザーとしている一般投資家は多分就寝中であろうから、この部分への貢献は少ないだろう。
 一度萎んだ市場を回復させるには、小口の顧客を多数導入するしかない。その為には、新規開拓努力が実を結ぶ環境づくりを早急にするしかない。これ以外には何もない。戦後先物市場が再開されてから約60年が経つ。資源少国の日本にとって極めて重要な機能を持つ先物市場を健全に育成し存続させる努力をしてきただろうか?
 役人の事勿れ主義、それに同調した一部業界トップのリーダーシップの欠如が今日の危機を招いたと言えまいか。某取引所理事長が「打々発止とやっておくべきだった」と反省の弁を述べていたが、今からでも決して遅くはない。思いの丈を爆発させようではないか。

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