平成22年 10月4日(月)(毎週月曜日発行)第1058号
      発行所 有限会社 先物ジャーナル社
      発行・編集人 高橋 伸幸
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日本テクノシステム


 
◇楽天証券=海外商品先物を取り扱い開始へ
   「商品」に関心高まるネット証券各社
◇“めらの目”金、来年には1450ドル(1トロイオンス)
                ──LBMAの年次予測投票
◇“先物寸言”アジアの金融センター
◆東京工業品取引所=DMA制度を導入
◆◆“アングル”
 ・欧州の中央銀行、金売却を停止
 ・向こう5年中に中央銀行は再び(ネット)売り手に回るとの見方も


楽天証券=海外商品先物を取り扱い開始へ
「商品」に関心高まるネット証券各社
  
 9月30日、楽天証券が個人投資家向けに海外先物取引の取扱いを10月下旬から始めると発表した。海外先物取引についてはすでに国内ネット証券でも、松井証券などがシカゴ・マーカンタイル取引所(CME)の日経225先物を取り扱っているが、楽天証券はCMEの日経225に加え、シンガポール取引所(SGX)の日経225も取り扱うことで日経225に連動する先物取引をすべて扱う国内唯一の証券会社となる。また、株価指数だけでなく、NYMEXの原油、CBOTの穀物、COMEXの貴金属などの商品先物も提供する国内最初の大手ネット証券会社となる。
  
 日本語対応に魅力感じる個人投資家も
 楽天証券が今回取り扱う商品数は28種類。CMEが運営するGLOBEXに接続することで、「E−miniS&P500」を含む主要な株価指数先物の他、NYMEXやCOMEX、CBOTなどCMEグループの主要商品先物をリアルタイムで取引することが可能になった。
 米ドル建ての商品についても、直接米ドルでの取引ができる。注目の手数料は、円建ての日経225先物(CME/SGX)の手数料がミニで210円、ラージで840円、ドル建ての商品のミニが9.45米ドル、ラージが12.60米ドルと、個人向け手数料としては、米国内と比べても安め。
 同社によれば、10月12日からスタートする「夜間為替取引サービス」を利用すれば、16時から翌日6時(夏時間は5時)の時間帯でも取引したいタイミングで直ちに為替取引を行うことができる。海外市場での清算ブローカーには、香港の大手銀行の名前が挙がっており、同社が主要株主であり、すでに海外商品先物取引の取り扱いも始めている商品取引員のドットコモディティ社との連携はない。
 口座開設は10月2日から受付け開始で、海外先物収引口座を開設するためには、他に楽天証券の「総合口座」と「先物・オプション取引口座」を開設する必要がある。とはいえ、口座開設書類から取引画面まですべて日本語対応なので、これまで直接、海外の先物ブローカーに口座を開いていたある個人投資家は、「日本語ですべて出来るのは大きな魅力。この機会に、楽天証券に口座を持とうと考えている」と言う。
 今年5月から、日本でも海外先物取引の取り扱いを開始した米国大手オンライン証券の日本子会社インタラクティブ・ブローカーズ証券の林社長も、「セミナーに参加していただいた投資家の10%ぐらいが口座を開設してくださっています。数はまだ多くありませんが、米国の先物市場で取引してみたい個人投資家の取引機会が増えることは、当社にとっても良いことです」と、楽天証券の海外先物取引開始にエールを送る。
  
 商品ETFや商品CFDなどにも波及か
 国内のオンライン証券各社は、株式売買が低迷するなかで、ここ数年、外国為替証拠金(FX)や株価指数先物、CFDなど品揃え強化に前向きだ。その侯補の一つに「商品」もある。実際、今回、楽天証券が海外先物取引所の上場商品を取り扱うことについても、「商品先物については当社でも検討メニューの一つだった」(SBIグループ関係者)という声が多かった。世界では株式市場での不透明感が、商品市場への資金移動を活発にさせており、金は連日史上最高値を更新。小麦など他の商品先物価格高騰も話題になっているから、証券会社としては当然の「関心」ではある。
 とはいえ、米国の先物取引所取引は取引単位が大きく、証拠金も日本市場に比べて高いので、目下のオンライン証券の中心顧客である比較的投資金額の小さな個人投資家には馴染まないと判断する会社も少なくないようで、同じ海外商品を取り扱うならむしろすでに取扱いを開始している商品関連の店頭取引である「CFD」や、上場投資信託(商品ETF)にまず力を注ぎたいという声も多く聞かれた。
 まず今年、CMEの日経225先物の取扱いを再開した松井証券は、「商品には常に関心がありますが、今は国内の商品ETFもラインアップが豊富になっていますので、まずは国内の商品ETFを薦めていさたいと思います」と、商品についてはETFを推奨する姿勢。
 また今年、オンライン証券としては久しぶりに国内の商品先物市場に参入したクリック証券の高島社長は、「当社は海外商品についてはCFDをやります。今はまだ海外商品CFDのニーズは高くありませんが、当社がそのニーズを作ってみせます」と、CFDに力を入れるときっぱり。
 SBIグループ関係者からも、「オンライン証券各社はすでにCFDをメニューに加えているので、海外商品を取り扱うなら、まずはCFDからという会社が多いのではないか」と、CFDに重点を置くコメントが聞かれた。
 一方、ある商品取引員関係者は、来年1月に施行される新しい商品先物取引法について触れ、「海外商品取引については、顧客資金をFX同様、国内に信託化するなどの規制がかけられるのではないか」と心配する。国内市場の低迷を背景に、新たなビジネスを模索しているのは商品取引員も証券会社と同じで、「米国であれシンガポールであれ、同じ取引所取引なら、取引所が指定する銀行口座での分離保管だけで、自己資金を送金する必要なしとなれば、商品取引員の中からも海外先物取引に取り組む会社は出るのではないか」とこの関係者は言う。 だが、ビジネスの前に、まず規制を心配しなければならないところに、目下の商品取引員の窮状がうかがわれる。
 (2010年10月4日―第1058号)
              

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