平成22年
9月27日(月)
(毎週月曜日発行)第1057号
発行所 有限会社 先物ジャーナル社
発行・編集人 高橋 伸幸
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◇東工取=深夜立会スタート
時間延長を契機に、もっと国内市場PRを
◇“めらの目”金、歴史と感情への訴求で比類なし
◇“先物寸言”コメ上場の条件変化
◆SEC「デリバティブ利用調査」は、「デリバティブ否定」のため?
◆ICE=店頭スワップ取引を100種類上場へ
◆“アングル”
・トウモロコシ、2008年来高値
・米産トウモロコシ収穫にあらし雲接近
・綿花、南北戦争以来二度目の1ドル(1ポンド)相場
東工取=深夜立会スタート
時間延長を契機に、もっと国内市場PRを
東京工業品取引所で実施されている夜間立会の終了時刻が午後11時から翌朝4時に変更され、9月21日からスタートした(ゴム市場は午後7時まで)。初日となった21日午後5時から翌午前4時までの出来高トップは金で1万6642枚。以下ガソリン4272枚、白金3522枚、全ミニ3284枚などが続いた。
米国ニュースに瞬時に反応
今回の立会時間の延長について、東工取の江崎格社長は延長決定後の記者会見で、「為替の変動が大きくなりやすい午後11時以降に、立ち会いを行うことには意義がある」と語っていた。
実際に、延長初日となった21日には米国連邦公開市場委員会(FOMC)の声明があり、ドル円及びドル建て金相場が動いたことから、22日朝3時から4時の時間帯の取引高が3537枚と、今回延長した5時間の取引高(7281枚)の約半分を占めた。
このため、江崎社長も「海外のニュースをすぐさま当社市場が織り込むことが実証されたのではないかと考えています」とコメント。「取引時間延長により当社市場の利便性がいっそう向上したことを、海外の機関投資家はもちろん、国内のFX投資家などにも訴求していきたい」と、新たな投資家の掘り起こしにも意欲を示した。
更なる啓蒙が必要
一方、個人投資家や商品取引員関係者の反応はまちまちだ。
大手オンライン商品会社で21日夜、個人投資家からの電話を受けていたというある関係者は、「当社のPRも足りなかったのでしょうが、夜11時過ぎにお客様から『東工取がまだ動いているけど、どうしたの』というお電話を頂きました。夜間立会延長の話をしたら、『面白いね』と興味を持って頂けましたが、史上取の取引時間延長をもっと啓蒙する必要があると感じました。ただ今後は、海外先物市場と国内先物市場を組み合わせて取引されるお客様も増えるのではないでしょうか」と、海外先物取引も視野に人れた新たなビジネスチャンスに期待する。
立会延長を記念して都内で開かれたイベント「コモディティフェスティバル」でき、参加した何社かの業界関係者から「インターネット取引だけでは対面顧客のリスクヘッジに対応できない。対面顧客にも取外機会を提供するためには「わが社も日中取引同様の電話対応を真剣に考えたほうがよいかもしれない」といった声も聞かれた。いずれも、深夜の取引ニーズに手応えを感じたというコメントだ。
一方で、「問題は今後『板』がどうなるかです。初日だけでは、まだ分かりません」と語るのは、大手取引員の法人営業担当者。「初日は内外の法人顧客からそれなりの注文を頂きましたが、夜間立会の延長でスタッフの生活スタイルも大きく変わります。それも含めて、人員を張り付けるだけの採算性があるかどうかなど課題はまだあります」。
また、商品先物取引法への改正を契機に、国内商品先物市場でのビジネスにも関心を持ち始めているある証券会社関係者は、今回の立会時間延長について、「古いタイプの商品取引員にはなかなかついていけないかもしれませんが、FXなどで24時間取引に慣れている個人投資家にとっては珍しくない話。そういう投資家にとって金やガソリンも投資対象として考えるきっかけになる可能性はあります。ただ、商品先物業界には古い体質がまだ残っているので、異業種からの参入はなかなか難しいのです」。
立会時間延長を含めて、目下のわが国の商品先物市場をどうPRしていくかも考えるべき時期ではある。
(2010年9月27日―第1057号)