◇商品取引所法の政令(案)─パブリックコメントまとまる─
どうなる、不招請勧誘禁止への対応
◇“先物寸言”損失限定取引
◆金融庁=店頭デリバティブ全般に不招請勧誘禁止
◆東穀取=秋季特別講演会を開催
◆“談話室”ハイ・フレクエンシー取引の罠
◆“先物文化”必要な先物市場の進化
◆東穀取=海外玉増加
◆“アングル”
・金、中央銀行の購入増予測で史上最高値
・アングロゴールド、金ヘッジ買戻し
商品取引所法の政令(案)─パブリックコメントまとまる─
どうなる、不招請勧誘禁止への対応
経済産業省は9月10日、今年7月15日から8月13日まで募集していた商品取引法の政令(案)に関するパブリックコメントをまとめ、公表した。寄せられた150のコメントのうちおよそ50件が広告規制、勧誘規制等「不招請勧誘禁止」に関わるもので、不招請規制禁止に対する関心の高さが伺えた。最終的に政省令を含む詳細が決まるのは10月中旬になるが、今回は、不招請勧誘禁止の例外事項と、改正法施行に向けた業者側の目下の対応ぶりなどを取材した。
投資金額以上の損失可能性の無い取引は対象外
今回の不招請勧誘禁止の例外として、すでに固まっていると報道されているのは、損失が投資額以上にはならない取引については不招請勧誘の対象外にするという基本方針。
パブリックコメントの中には、「ストップロスを入れても、値動き次第では、それ以上の損失が出る可能性があるので認めるべきではない」という声もあったが、商品先物取引振興協会(以下振興協会)では、例えば、顧客がストップロス注文をあらかじめ入れておき、仮に相場がその水準以上に動いても、場外・時間外の取引でロスカットを保証する取引等なら、勧誘も許されると見ている。
もう一つ、改正案を見ると、自社が現に砲えている「店頭デリバティプの顧客」に対しても、新規に、商品先物取引を勧誘できる。例えば商品会社が兼業でOTCのFX顧客を抱えていれば、そのFX顧客に商品先物取引を営業することは許されるわけだ。
また、業界関係者の中には「一度ポジションを手仕舞うと、次の取引について顧客に電話することも不招請に当たるのではないか」といった疑問も聞かれるが、不招請勧誘の禁止はあくまで新規顧客の口座開設に関するだけであり、すでに口座を持って取引している顧客と次のポジションについて相談する電話や訪問まで禁止されているわけではないと振興協会。
金現物やファンドの営業も不招請勧誘禁止の対象外であり、「セミナー開催のご案内」もまた、電話・広告しても構わない。
こうしてみると、工夫次第では既存の対面営業にも出番はあるという気がしてくるが、現場の声はまだ厳しい。
顧客に納得できる新たな工夫が必要
例えば、ロスカット取引について、業界関係者の一部からはこんな声が聞かれる。
「わが社は、ロスカットでなく、違う新しい取引を考えます。場外でロスカットを保証する取引を提供するとなれば、投資家の中には、2社に同枚数で反対注文を出しておく顧客も出てくるかもしれません。ストップまではプラスマイナスゼロ、行き過ぎたら、片方もいるからです。取引所による名寄せの徹底など、業界全体で対応しなければ手がけられません」
今回の不招請勧誘禁止の措置は、基本的に、商品先物会社の、ひいてはわが国の商品先物市場の信用回復のために避けては通れない道だということになっている。そこに、例外を設けるのはどうかとの声も聞かれるのだが、今回のパブリックコメントにも、「差玉向かい玉」の話題が出るなど、パイカイと悪質な向かい玉との違いすら分からない投資家もまた多いという現実がある。だとすれば、一部だけでも外務員による啓蒙の部隊を残し、ロスカット取引を改めて説明するだけでも、先物市場の仕組みを理解してもらう契機になる可能性はある。プラスもマイナスも、物事はすべて考え方次第である。
金融庁は、店頭デリバティプであるFXやCFDを「不透明であるた不招請勧誘禁止」とした。同じ取引所取引ではあるものの、国内商品取引所の取引は、証券・金融取引所と違って「不透明」であるといわれているに等しい。早く、そんな状況を打破するためにも、「新たな工夫」に期待したい。 |