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堂島の知恵
福島 恒雄
関西商品取引所では、現在、大阪堂島米会所公許280年記念と銘打って「シンポジウム〜大阪商人の知恵『堂島の知恵』を再び〜」をこの9月18日に開催を予定している。基調講演は、経済評論家の堺屋太一氏が「大阪商人の知恵『堂島の知恵』を再び」をテーマに行い、続いて「世界に冠たる金融システムの原型『堂島』を生み出した先人の知恵に、現在の「大阪商人」「日本人」が今、何を学び、また、何をなすべさかを論点にディスカッション」をテーマにパネルディスカッション。パネラーは大阪大学名誉教授の仁科和彦氏、経済評論家の島実蔵氏、東京穀物商品取引所社長渡辺好明氏、関西商品取引所理事長岡本安明氏。
案内通知を見ると「今から280年前の享保15年(1730年)、大岡越前守忠相が大阪堂島米会所を公許したことにより、世界で最初に組織された先物取引が大阪は堂島の地に誕生」したと高らかに謳い上げ、この取引が、独創的な大阪商人の知恵が生み出した歴史的偉業と讃えている。淀屋の米手形取引の発展型である帳合米取引が世界的に見ても先物取引の元祖であることは間違いなく、シカゴ商品取引所のガイドブックにも、1800年代に先物取引の仕法を日本から学んだ、という記述がある。米相場の聖地ともいえる大阪で、先物の唯一の担い手である関西商品取引所が、大阪商人の誇りとともに各種イベントを開催するといったところだ。
粗糖24/0、コーン36/310、大豆36/0、コーヒー指数36/0、小豆56/180、冷凍エビ56/180。関西商品取引所の9月8日の出来高と取組高である。
私はここ3年ほど、本紙において手振りの復活、現物流通と先物取引の連動性、受渡しの重要性、投資リスクについて、書かかせていただいてきた。特に関西商品取引所には、上滑りのパフォーマンスではなく、実際の手振りの復活こそがその活性化への唯一の道と信じて訴えてきた。それは大学生にやらせる模擬ではない本物の手振り立会の復活である。コンピュータ取引なんぞ簡単に捨てることのできる大阪商人のコスト感覚と計算高さ、経済性を信じての主張である。堂島に生きた先人たちの知恵を生かすべく、清算機構から離脱し、証拠金・値洗い制度を旧来のものとすることである。不動産で食えるうち、定率会費を1枚10円でも1円にでも抑え込み、取引を誘引することである。東京米相場のシンボルは売却が決まったが、関西も取引所ビルを売却して解散するというのだろうか。それが大阪商人の「知恵再び」ということなのか。
「この秋をまたでちりゆく紅葉哉」。シンポジウムの開催場所である大阪市中央公会堂を寄進した相場師・北浜の風雲児岩本栄之助の辞世の句である。 |