平成22年
8月30日(月)
(毎週月曜日発行)第1053号
発行所 有限会社 先物ジャーナル社
発行・編集人 高橋 伸幸
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◇経営状況アンケート調査から
最悪期は脱出の気配 収益の多様化はまだ成果みえず
◇“めらの目”金、米経済弱体化テコに上がる
◇“先物寸言”FX投資は外貨預金の延長ではない
◆海外玉やや回復 気になる取組の減少
◆ネット取引移管 大起が北辰へ
◆エース交易 預り150億円台に回復
◆“談話室”情報の非開示と張り子の悩み
◆2010年3月期 専業取引員財務状況
◆“アングル”
・コーヒー(アラビカ)12年振り高値、
砂糖5ヵ月振り20セント(1ポンド)台
・コーヒー、アラビカ、ロブスタとも急反落
・小麦(輸入需要)、鉄鉱石(中国輸入)がBDI押し上げ
経営状況アンケート調査から
最悪期は脱出の気配 収益の多様化はまだ成果みえず
小沢出馬に揺れる政局、円高に揺れる日本経済、深刻さをます雇用問題、何一つ先の見通しがつかめない状況下で、商品先物業界も呻吟している。8月の出来高はさっぱり振るわず今年のワーストを記録しそうな雲行きにある。そんな最中に日本商品先物振興協会が2010年度の経営状況アンケート調査報告書をまとめた。
調査実施期間は7月29日から8月6日、対象会員は30社で29社が回答。
09年度の決算状況は経常収支がプラスとなった社が6社(21%)、マイナス23社(79%)であった。実に8割り近くの会社が赤字であり、それも2年連続で赤字に陥った社が20社もあり業界の深刻さが伺える。唯一の救いは08年度よりも赤字幅が改善した社が15社あることだが、本業(委託手数料)の収益増によるものでないと先行きの展望が望めない。
収益の柱となるのは、商品先物取引に係る委託手数料収入に依存しているのが26社(89.7%)、うち19社は他の収益源(収入の1割以上を占めるもの)をもたないという。自己売買収入は4社(13.8%)、FXなどの金融先物による委託手数料が3社(10.3%)などとなっている。新しいビジネスとして注目されている商品OTCはまだ会社収益の1割超になるまでには至っていない。取引員ビジネスの根幹は委託手数料にあるわけで、進歩的な社は収益源の多様化を目指すも、いまだその成果が現れていない。
証券ビジネスはどうだろうか。日本証券業協会が発表した2010年3月期の決算概況(速報値)によると、全国証券会社300社の営業収益は3兆3868億円、うち受取手数料2兆1292億円(委託手数料5516億円、引受け売出し手数料2345億円、募集売出し取扱い手数料4361億円)、トレーディング損益8081億円、金融収益4163億円となつている。潤沢な取扱商品による収人の多様化がみうけられる。
営業の概況は、委託者の口座数が増加した社が15社(52%)ある一方で、13社(45%)で減らしたが、調査では4013名の口座増となった。各社の定期業務報告書によると、委託者口座数は07年度9万6012件、08年度8万7268件、09年度8万2571件と減少傾向にある。この調査結果がそれに歯止めをかけたことを祈りたいが、新規件数の減少(13社が対前年比5232名増、16社が同6608名減で、実質1376名の減少)で先行きの悩みは、簡単には解消されそうにない。
商品先物市場の復活は目先の出来高ではなく新規顧客の獲得にあり、この部分に手を抜くことはできないはずだ。
アンケート調査では総合取引所問題や金融商品取引法との一本化などにも触れているが、機会を改めて取り上げてみたい。
(2010年8月30日―第1053号)