平成22年 6月28日(月)(毎週月曜日発行)第1045号
      発行所 有限会社 先物ジャーナル社
      発行・編集人 高橋 伸幸
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日本テクノシステム


 
◇中大取=来年1月に立会い休止
  ゆくゆくは解散の方向で話し合いか
   会員減少でシステム負担が重荷に
◇“めらの目”商品先物はインフレヘッジにならない?
◇“先物寸言”角を矯めて牛を殺す
◆政省令の大枠固まる
◆「市場振興に注力 東工取江崎社長
◆5月の海外玉 金、白金、ガソリン、原油が伸びる
◆“アングル”
 ・OECD、先物のルールに疑義
 ・北京、トレーダーに“満足感”注入
◆先物協会=東穀取に解散要求 会員懇談会で
◆セントラル商事=プロップ事業に進出


中大取=来年1月に立会い休止
ゆくゆくは解散の方向で話し合いか
会員減少でシステム負担が重荷に
  
 中部大阪商品取引所は18日の理事会で来年1月をもって立会いを休止することを決めた。事実上の取引停止で、今後については臨時総会を開催して会員の意見を聞くとしているが、「解散を含めて選択肢は限られている」(黒岩進理事長)と見られる。
 04年のピーク時には全国シェアー25%を占め、東京工業品取引所に次ぐ全国2位の商品取引所であったがその凋落は激しい。ローカル市場、板寄せ取引の存在をも問われている。
 
上層部と現場のかい離
 09年10月に起死回生の切り札として上場した金先物取引は当初1日平均2万枚の出来高を見込んでいたが、現実は1日としてその希望枚数に達したことはなく予想を大きく下回ったことが取引所閉鎖への道を決断させたともいえる。
 取引所執行部の予測の甘さが指摘されるが、会員代表者と営業の現場(外務員)との認識のズレも大きかったようだ。「取引員経営者は板寄せの金上場を切望していたが、実際に顧客を管理する支店長以下はザラバ取引の金に慣れてしまっていた。顧客を含めて金はザラバが浸透して板寄せ取引には見向きもしなくなった」(河合常務)という。
  
4期連続の赤字決算
◇金の開所来出来高
09年10月
22,526枚
11月
21,877枚
12月
20,990枚
10年1月
12,428枚
2月
17,059枚
3月
14,716枚
4月
13,048枚
5月
9,117枚
 受託会員数はピーク時(05年9月)の61社から15社に減った。取引所システム費用の1社あたり負担増となり、一方で会員収入の減少で取引所負担(推定2億円)も重くなって、この4年間赤字決算が続いている。06年▲2.89億円、07年▲2.82億円、08年▲3.08億円、09年度が▲2.21億円。
 1996年豊橋乾繭、名古屋穀物砂糖、名古屋繊維の3商品取引所が合併して中部商品取引所(後に大阪商品取引所と07年に合併して現在の中部大阪商品取引所となる)が誕生した。その資産(豊橋の土地、名繊ビル、丸の内の取引所ビル)も全て売却して、現在は賃貸ビルで立会いを行っている状態にある。
 これほどまで取引所経常を圧迫した元凶は単独による取引システムの構築にある。その当時、取引員経営もシステム負担が経営を圧迫し、その動向に反対する向きも少なくなかった。だが、これほどまでに急激に会員がいなくなるとは、その当時は誰も考えられなかったと思う。計算外の業界衰退が固定経費の圧迫を招いたと言える。
  
東工取は一括移管を拒否
 中大取の功績ともいえるのが石油市場における小口ユーザーの掘り起こし。47都道府県の39県で受渡を行ったが、全国制覇をなしえずに市場を閉める無念が残された。
 立会い休止を決めるまでに水面下で他方面と交渉を行い、東京工業品取引所には建玉の一括移管(合併)を要望したが、取引仕法(ザラバ、夜間立会い)の違いを理由に拒否され、東工取独自の石油商品を上場することになり道が閉ぎされてしまった。
  
休止は会員の総意
 休止を決断させた背景には取引所としての使命があった。市場流動性の欠如は公正な価格形成機能を果たせなくなるばかりか、会員の出資金、持ち分の払い戻しにも支障をきたしかねない。3、5月の会員総会、その後のアンケート調査(45社)で会員の意向をふまえて取引休止に至ったという。石油市場の出来次第では休止時期が早まる懸念もある。
 休止の後、しかるべき時期に解散を含めた取引所のあり万を総会に諮るとしているが、解散が決まれば速やかに清算に入り、会員の資産の保全に動くものとみられる。
 会見の冒頭で、黒岩理事長は「市場の継続性を維持できないことを誠に遺憾に思う」と述べ、ローカル市場としてやるべきことをやりつくした結果の最終判断といえる。
 (2010年6月28日―第1045号)
              

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