◇総合取引所構想、再浮上
政府の成長戦略に織り込む 行政窓口の一本化には賛成の意見も
◆東工取=中大取の石油市場引継ぎ 10月に新規上場
◆先物協会=総会で東穀取解散の声 秋田常務退任、後任は杉原氏
◆東穀取=「コメ研」立ち上げ 年内に報告書まとめる
◆オリオン交易=受託業務かいら撤退 移管先は岡安商事
◆“先物文化”成功には明るさが大切
◆“アングル”
・米国の需要増、石油上昇後押し
・金上昇で保管室確保が銀行の優先リスト
・コーヒー、ヘッジファンドの踏みで上がる
◆東穀取=海外玉3ヵ月振りに減少
◆東工取=デイトレ好調持続 人気はガソリン・白金
総合取引所構想、再浮上
政府の成長戦略に織り込む 行政窓口の一本化には賛成の意見も
政府は14日、株式や商品先物取引を一体的に扱う「総合取引所」創設を3年後(2013年)に実現する方針を打ち出した。15日の閣議後には自見正三郎金融相が新成長戦略に盛り込む方針を明らかにし、総合取引所構想が再びクローズアップされている。
菅首相が目指す新成長戦略は環境(エネルギー、健康、アジア経済、地域活性化、科学、雇用、金融など7分野の経済成長を探り、具体的な指針を明示することにあり、成長戦略策定会議(議長:菅直人首相)では省庁の壁を取り除いた横断的な議論を行い今秋までに具体的な結論を提示する意向にある。
総合取引所構想はその流れの中の一環であり、法人税の引き下げ問題とからんで戦略会議の目玉とされている。「総合取引所の創設に向けて制度の整備、施策を講じることは重要」(自見金融相)としながらも、早くも各省庁の考え方の相違などがあって最終的には各取引所の経営判断に委ねられそうだ、との声が聞かれる。
東工取・江崎格社長は「今やるべきことは商品を魅力あるものにして、経営を黒字化させること。それに総合取引所が役立つのであれば議論に参加する」と消極的ながらも前向きな考えをみせた。東穀取・渡辺好明社長は「デフレの糸口が見つかるか、成長戦略の中身に期待している」として当面は議論を見守るとしながらも、「金融、商品の相互乗り入れが可能になったが、結局は個々の経営判断による」との見解を述べた。
◆ ◆ ◆ ◆
政府主導による総合取引所構想が持ち上がったのは2007年頃である。当時の安倍内閣の「経済財政諮問会議」の金融審議会金融分科会第一部会(部会長:池尾和人慶大教授)による「我が国金融・資本市場の競争力強化に向けて」の報告書(07年12月18日提出)に、(1)取引所の取扱商品の多様化、(2)プロに限定した取引の活性化、(3)銀行・証券間のファイヤーウォール規制の見直しなどを提言し、金融取引所と商品取引所の相互参入が織り込まれている。
すでに実現しているものもあるが、その成果には疑問符がつく。当時は欧米の機関投資家が全盛で世界市場を席巻していたが、その翌年には米国発のサブプライムローン不況をきっかけに深刻な金融不安を招き、米大手証券のリーマンプラザーズが破たんした。
商品取引所法の改正審議もほぼ同時期に行われ、国際派推進論が大勢を占める流れで審議が進んだ。金融市場との相互乗り入れなど形になって表れているものもあるが、プロアマ規制などまだ理解されにくいものもあり、完全施行される11年1月以降にやや不安視する向きもある。総合取引所の実現を機会に商品先物取引の行政窓口を金融商品取引法に一本化した方が将来への希望が増すのではなかろうか。 |