業界発展への道─H
早急な取引所統合を 蝸牛角上の争いの時ではない
商品先物取引はどのような手を打ったとしても、出来高が近々、増える可能性は極めて小さい。ここは取引にかかるコストを最小限に抑え、ジッと冬が過ぎるのを待つしかあるまい。となると、システムの統合程度ではまどろっこしい。思い切った再編成が必至といえる。
(市場経済研究所 岡本 匡房)
「最後に残るのは関西商品取引所」こんな説がまことしやかにささやかれている。関西商品取引所の出来高シェアは1%未満。存在感は極めて小さい。にもかかわらず、「関西商取が生き残る」というのはなぜか。その理由は豊富な資産にある。
関西商取の資産は不動産にある。それは神戸ゴム取引所の理事長を勤めた三共生興の三木瀧蔵氏の慧眼と実行力による。氏はこんなことを言ったという。
「商品先物取引は出来高が多い時も少ない時もある。少ない時に生き残って時期を待つには出来高が少なくても取引所が存続できるようにすべきだ」。しかも、三木氏はこれを実行。生命保険会社と共同で取引所ビルを新設した。この家賃収入が現在、関西商取を支えている。
この手法は他の取引所にも当てはまろう。もし、4取引所が統合したらどうなるだろうか。
まず、資産が増え、財政基盤が大幅に強化される。中部大阪商品取引所はビルを売ったが、他の3取引所はビルを持つ。それがそっくり資産になる。しかも、そのうち1つだけを活用、他を賃貸すれば、家賃収入の大幅増加が期待できる。
さらに取引所を1つにすれば、人員、事務所経費など運用コストも減る。上場商品を統合することで、1商品当たりの流動性が高まるかもしれない。
商品取引員にとってもメリットが大きい。端末が減少、コスト削減に役立つし、流動性が高まればディーリングもしやすくなる。
既に、米国はCMEがCBOT、NYMEXを吸収、一極集中を成し遂げている。出来高は上海、大連の取引所が世界1、2位を占め、日本最大の取引所、東京工業品取引所は出来高が減少、8位から11位に下がり、上位10から転落した。このような時、国内で取引所同士が蝸牛角上で争っている場合ではない。
同時に、JCCH、日商協協、先物協会、保護基金など各種団体の統合も考えるべきだろう。
コストを削減すれば、商品先物業界が復活するとは言い切れない。しかし、あらゆる手段を取るべき秋に来ている。万難を排し、実行すべきではないだろうか。 |