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金融特区が日本を救う 商品先物の機能だけは残せ
岡本 匡房
かつて、日本を発展させたのは輸入技術の改善による規格型製品の大量生産だった。電機製品、自動車、鉄鋼を含め、この政策が日本をGDPで世界第2位にのし上げた。
だが、このビジネスモデルはもう通用しなくなった。中国、韓国、インドをはじめ、日本より賃金が低く、優秀な労働力抱えた国が同様の政策を採ったからだ。今後も、日本が勝つ余地は極めて限られてこよう。
日本に市場を奪われた時、米英は異なる政策をとった。米国は航空機、コンピュータなど日本が生産できない最先端製品に時化、銀行、証券の統合も行なうなど金融緩和にも手を打った。
一方、英国は「ウインブルドン現象」と笑われながらも、弱い分野を世界に売り、資源、金融に時化した。特に金融はシティでの規制を米国以上に大幅に緩和、米国に取られた主導権をかなり取り戻した。
このような中、日本の成長戦略はどこに求めるべきだろうか。環境、バイオといってもそれが製品化され
れば低賃金国に奪われよう。そんな中、生きる道は1500兆円弱の個人金融資産を生かす道しか有るまい。
いま、世界は急速に金融規制の方向に向かっているが、そんな中、日本が金融政策を大幅に緩和すれば「第2のシンガポール」となり得よう。もちろん、日本全国での金融緩和が無理なことは百も承知だが、「金融特区」という手もある。がんじがらめの規制で窒息しかかっている商品先物取引も金融特区内で完全自由な取引を行えば、復活の余地が生まれてこよう。
英国のGDPに占める金融関係の比率はリーマンショック前で約15%。一方、日本は5%程度でしかなかったという。それが10%にでもなればGDPは5%増えるし、乗数効果を考えると、波及効果はその数倍に達しよう。
現在の政府が反市場主義に動いている時、「夢」でしかない。しかし、「ニクソンは反共産主義だったから米中国交回復ができた」といわれる。反市場主義だからこそ、大胆な市場改革への手を打ちやすいともいえる。
いま、商品先物取引は瀕死の状況にあり、「夢」を語ることしかできないのが実情である。このような状況下、常識的な手を打っても、業界は再生できまい。しかし、商品先物取引は金融商品の一翼をになう存在であり、価格発信機能は日本の将来に絶対に必要である。現在の商品先物業界がそのまま残らないにしても商品先物取引の機能だけは何とか残したいものである。 |