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不断な営業努力
高橋 伸幸
 東京穀物商品取引所の地盤沈下が続いている。
 メインの大豆、とうもろこしが1日出来高5000枚程度まで落ち込んで、肝心の取組高は一向に増える気配が見られない。コーヒー2品は投資家にそっぽを向かれ上場の危機が迫っている。復活の途上にある粗糖も東穀を背負うにはパワー不足は否めない。コアなファンがいた小豆市場もかつての面影が全く見られなくなった。
 一方、市場シェアーの80%超を占め、寡占体制を強めている東京工業品取引所は国内商品先物取引で初めてとなる限日取引の商品指数取引や金融市場との連携による金投資信託など一歩も二歩も先行している。いま投資家の熱い視線が注がれている金、当業者の利用が積極化している石油市場など産業インフラの場として、資産運用の場として更なる成長が期待されている。
 かつての商品先物取引の雄、東穀取がこのまま成すすべなく衰退するとは思いたくないが、投資家の関心を呼ぶ「何か」がかけているのだろうか。
 出来高や取組高の増減はその時々の相場付きに左右される。作の出来、不出来で今年は穀物相場の当たり年にはならないと思えば市場も閑散とするのはしかたない。それが慢性化しているところに先行きの危機が感じられる。
 現物商品先物取引には当限の納会日に現物の受渡が伴うのが一般的であった。その受渡枚数で、誰が渡して、誰が受けたのか、などの情報が飛び交う中で先行きの相場分析をしたものだが、最近はとんとそんな話も聞かれなくなった。コーヒーや粗糖が受渡ゼロの月が目立つようになったのは当業者の市場参加が少なくなったのではないか心配される(これはタイトな在庫事情による一時的現象と市場関係者はいう)。
 市場振興の決め手はニューマネーの呼び込みだ。銀行・証券の商品先物取引への直接参入が認められ、これらの金融資産をどれだけ呼び込めるかにかかっているとの声もある。東工取市場を利用した「ジャパン・ゴールドファンド」がその試金石となるが、大阪証券取引所も東工取連動型の2本の上場投資信託(ETF)を承認した。東穀取も農産物投資信託の開発を研究していると聞くが、市場流動性や売買システム(東工取システムの共同利用)などから「まだ機が熟せず」(東穀取、渡辺好明社長)としている。
 これらの問題に対して、東穀取の山野昭二専務は「不断の営業努力」で多方面と接触、取り組んでいると語るが、営業には結果がつきもの。そろそろ何らかの結果が欲しい。当面は東京小豆の産地(北海道)受渡指定で、現地の山買い人が市場に舞い戻ってくることを期待しょう。東穀取のグローカル戦略の第一歩なのだから。
(週刊 先物ジャーナル 2010年2月8日 1025号 掲載)

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