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自力回復への望み
高橋 伸幸
 09年は惨憺たる結果に終わった商品先物業界。国際商品市況が軒並み活況を呈する中での落ち込みに、先行き悲観の声が募る一方だ。
 幸いというべきか、年明けの商品相場は元気よく始まった。出来高も上向きかげんで、「幸先よければ終わりよし」になるような年にしたいと誰もが願っていると思う。外需(海外高)依存から抜け出せないまでも、その恩恵の一端には預かりたい。
 商品相場がプル(上昇)基調にあるときは、国内市場も大衆パワーにあふれかえったものだが、そうした熱気が全く感じられなくなって何年になるのだろうか。
 ピーク時の03年の業界出来高は1億5400万枚、大阪商品取引所も健在で600万枚を超える出来高があった。横浜商品取引所が185万枚、福岡商品取引所が273万枚など今は無き地方取引所もそれなりに出来ていた。極端に落ち込んだのは05年の法改正が施行されてからで、地方取引所の単独で生き残りが難しくなり取引所合併が進んだ。
 05年法改正で、営業の行為規制が強化されたことから「行政不況」と言われるようになった。時を前後して、法令順守の風潮は日本の産業界全般に波及し、コンプライアンス重視は企業の合言葉のように広がった。金融商品取引法が施行されて、投資家保護が強化されたのもこの頃で、法の規制という観点ではどの業界も横並びではなかったのか。そのなかにあって商品先物業界の落ち込みは他に例を見ない。
 先を見る商売にあって、世の変化を読み損なったツケがいま表面化している。これまでの紛議、いわゆる負の遺産を云々しているうちは何も問題解決しないで終わってしまうだろう。コンプライアンスは当たり前、どこも真摯に取り組んでいるし、不当な損失を出さない努力もしている。今年はもっと前向きに仕事に取り組むときだと思う。
 業績悪化による人員の削減は起業存続の常套手段であり、この不況下でいま社会問題化している。商品取引員もその例外ではなくリストラにつぐリストラで、外務員数は4000名を割った。産業設備を持たない取引員経営にあって、顧客獲得の生産を担ってきたのが外務員であるから生産能力が落ちて当然で、業界にとっては「人減らし不況」といえなくもない。
 外務員は商品先物取引の啓蒙普及の宣伝員であり、正しい知識の普及につとめる広報マンでもある。彼らが意欲をもって思う存分働ける場所を提供し、確かな営業戦略を打ち出したところが、これからの業界をリードしていくのではないだろうか。自力回復の道は自ら切り開いていく以外にはない。
(週刊 先物ジャーナル 10年1月18日 1022号 掲載)

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