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取 組 高
福島 恒雄
商品ファンドを運用するCTAの多くがシステマティックなトレンドフォローワーであることは本紙主幹の米良さんも指摘するところで、かのジョン・W・ヘンリーも長期のトレンド・フォローワーであることは別稿で触れた。「魚の頭と尻尾は人にくれてやれ」という諺どおり、トレンドフオローというのは天井と底という絶妙のタイミングで投資することを想定していない。一定のトレンドが出始めたときにその波に乗るわけで、これから相場が上がるという波を掴んだ時買うわけで、自らはその上昇相場を作ろうとは考えていない。このため、商品ファンドの投資行動を投機資金の集合体による仕手的投資行動とみなされがちだったことに反して、本紙主幹の米良さんが「良い投機」とことさら断じたのもこんな理由だったのではないかと考えている。
トレンドフォローを実践していく場合、ある程度の量のファンド資金が入ったからといってそのトレンドが崩れるようでは困るわけで、市場にはそれなりの厚み、浸透力、許容力が必要ということなる。取引に参加するのが一般個人中心だろうがプロに限定しようか構わないが、市場を振興し、大きくしていくという目的を達成するには、市場の厚みである取組高を増やし、保持せねばならないという考え方が必要だ。
取組高は様々な価格属性を持った売りと買いが噛み合わさって構成されており、だからこそ、どの時点でも、売りに対しては買い、買いに対しては売りの相手が出現し得る状況となり市場の奥行きとなるのである。市場の価格的多様性、流動性を取組高が担っているわけで、いわば出来高の呼び水的役割を果たすものなのであるから、当業界は、今、取組高を増やすことを考えなければならないはずである。
取組高を増やすには、市場参加者の一定部分が、一週間以上、できるなら一ヵ月程度のタームで投資行動がとれるように環境を整える必要があると思われう。それには、投下資金と投資対象比であるレバレッジの程度が問題となる。ネット専門の商品取引員からは、委託者の多くがデイトレ指向で、レバは大きいほどいいという意見が強いと聞かれるが、一日の値動きの中でサヤを取ろうと思えば、ヌケ幅はできるかぎり少なく、投下資金はレバを大きく、場合によっては無数でも、というのは当然と言えば当然であり、投資効率という意味からもその判断は正しい。
また、投下資金を大きな金額に設定すると、少額資金の弱小投資家に対する参入障壁になることは確かであるし、大衆が損して商社が儲かるという状況を何とか是正しようとしてきた結果という理屈も理解できる。しかし、薄敷無敷の最小限のヌケの中で、日々建ち落ちを繰り返すだけでは、出来高はそれなりに出来ようが、取組高という市場の厚みは増すことはない。 |