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先物取引は機能出来るか
改正は規制の集大成
市場経済研究所社長 岡本 匡房
「やり残したのは商品取引所法という名称を商品取引法に換えることだけだった」─かつて、商品取引所法改正で敏腕を発揮した主務官庁の担当者がこういったことがある。
日本は戦前、「取引法」という名称で証券と商品先物取引が一つの法律で括られていた。ところが戦後、証券は「証券取引法」、商品先物取引は「商品取引所法」という2つの法律に分離された。商品取引所法という名称が意味するように商品先物取引は取引所中心の運営を行ってきた。
それが「施設から機能へ」という言葉の下、前回の商品取引所法改正で、かなり大きなカーブが切られた。そして、今回の改正で、商品取引所法は商品先物取引法に変わり、「所」がなくなった。
だが、これで機能中心の取引が行われるようになり、商品先物業界は本当に再生出来るのだろうか。その答えには疑問符を付けざるを得ないのは筆者だけではあるまい。
戦後、商品取引所法の改正のねらいをたどってみると、大きく見て4つが挙げられる。
1990年=国際化と委託者保護(フリー、フェア、グローバル)
1998年=信頼性、利便性の向上
2004年=施設中心から機能中心へ
2009年=使いやすく、透明で、トラブルがない
このうち、規制緩和といえるのは1990年の法改正だけであった。この時はグローバル化の波に乗り「規制から保護育成へ」─行政の姿勢が180度転換した。だが、残念ながら、相変わらず営業姿勢を改めない商品取引員も多く、それが再度、行政の姿勢を規制に転換させたともいえる。その意味では今回の法改正はその規制の集大成とも捉えることが出来よう。
機能重視は別に取引所を軽視しているわけではない。取引所を通じ、取引の参加者が平等で、より自由に参加できてこそ、その機能が発揮出来るからである。
だが、ここ数回の改正は「機能重視」より「委託者保護」に重心が置かれた。この結果、流動性が低下、むしろ、機能低下を招いている。名称から「所」が除かれたとはいっても、機能が発揮できる訳ではない。
目下の商品先物取引は機能不全に陥る寸前にある。いや、大半の商品が「名存実亡」で、機能不全に陥っている。「手術は成功した。だが、病人は亡くなった」というようにならないためには、どうしたらよいのだろうか。
残念ながら、答えを出せる人はまだいない。だが、法は変わり、取引所、行政のトップもほとんどが一新したいまこそ、新たな目で、もう一度、業界を見るべき秋ではないだろうか。 |