平成21年
6月8日(月)
(毎週月曜日発行)第992号
発行所 有限会社 先物ジャーナル社
発行・編集人・高橋 伸幸
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◇歓迎、新入社員 失敗と辛酸が人間を大きくする
◇“めらの目”「最悪は脱した」、楽観主義が押し上げ
◇“先物寸言”「前門の虎、後門の狼」二律相反廃し協力を
◆5月出来高急減 東工取は3カ月連続で前月下回る
◆先物協会 3常設委員会を統合 会員との意見交換で方向性を探る
◆“アングル”弱いドル、明るい見通しが国際商品を押し上げた
◆エース10の運用益21% 商品ファンド四半期運用
◆「くりっく365」人気通貨は米ドル・英ポンド・豪ドル
歓迎、新入社員 失敗と辛酸が人間を大きくする
新入社員諸君が活動を始める季節になった。世間の企業では配属も決まり、そろそろ現場にでて外回りを実体験しているころだ。商品先物業界の新人たちは外務員試験に追われて、ようやく一段落した頃か。今月中には現場に配属されて営業の最前線に立つ。これからは受け入れ側の器量が問われてくる。
先日、1枚の挨拶状がポストに入っていた、顔写真つきの名刺と一緒に。A4版の用紙に筆ペンで、「日差しが日ごとに眩しくなり、早くも夏の訪れを感じさせる今日このごろです。初めまして、私は○○証券の△△支店に5月に配属されました、新入社員の○○と申します。
この度こちらの地域を周らせて頂くことになりましたので、僭越ながらご挨拶にお伺いさせて頂いております。私はプロ野球のソフトバンクホークスや豚骨ラーメン、明太子でおなじみの福岡で育ったいわゆる九州男児です。熱い人間に囲まれて育ったので情は人一倍厚いと自負しております。大学進学をきっかけに上京し、八王子にある△△大学では伝統ある空手部に所属し、毎日汗を流しながら自己研鑽して参りました。またその一方で、大学3年よりピアノサークルにも所属し芸術家らしい個性豊かな人たちに刺激を受けながらショパンを猛練習し、定期コンサートに出演したりもしました。
これからお客様と接する上では、お客様のお役に立つということをいつも最優先に考えて、お客様に最適な商品やサービスをご提供できるよう日々精進して参りたいと思っておりますので、まだまだ頼りない若輩者ですが、どうぞ宜しくお願いいたします」と、丁寧に縦書きでしたためられていた。
2度読み直して、名刺の顔写真をしげしげと拝見、ずいぶん面長だが好感がもてる。私にラボール「rapporr(仏)=親和関係」がかかったということだろう。次はどんなアプローチがあるのか楽しみだ。
商品先物業界は世間様以上に厳しい状況下にあるが、それでも30名以上の新卒者を採用している会社が複数社ある。企業存続に新しい力は不可欠。加えて優秀な人材を確保しやすいと考えれば、至極当たり前の経営行動といえる。既存社員にとっては足下を脅かす存在であるが、会社が存続するという強い意思の確認にもなる。
組織も個人もダムの貯水の如しである。知恵や技術、リーダーシップを発揮し尽くしたら、新たなものを貯める必要がある。小出しにするべきではないだろう。事業の再構築や本業へのウェート配分など、必要なときに必要とおもわれる手が打てる(放水できる)貯水を万難を排して行っているか、どうかが問われる。
人はいない、いても体力も気力もない。経営トップが逃げの一手では、ダムは干上がって機能しない。
新入社員諸君、成功体験から学ぶことは少ないものだ。失敗こそが師だ。多くの屈辱と辛酸を嘗めて欲しい。
(沼野)
(2009年6月8日―第992号)