◇グローカルで新風を興す
08年は開所来の厳しい決算だが、
農産品先物への関心は深まっている
◇“めらの目”人気一本ではない国際商品上昇
◇“先物寸言”「誠実かつ公正の原則」
◆中大取の貴金属市場(金)で公示=経産、農水省
◆増資は広くうすく 東穀取の株式会社化
◆木村理事長、任期中の辞任を表明=中部商品取引所
◆“アングル”砂糖、インド先物 新規売買禁止で上がる
◆金融取=丸の内に移転
◆軽油取引を休止=中大取
グローカルで新風を興す
08年は開所来の厳しい決算だが、
農産品先物への関心は深まっている
東京穀物商品取引所は27日、第66回通常総会を開催して08年度の業務報告書、損失処理案、09年度の業務計画及び収支予算案、加入金額の改定、株式会社化、役員の改選などすべての議案が承認された。
冒頭の挨拶で、渡辺政明理事長は「関所以来の厳しい年であった。農産品は海外市場が活況を呈したのに国内はさっぱり、海外が下がると国内も連れ安した。だが、農産物市場への関心が高まったことは将来への楽しみだ。いまは我慢のしどころで新しい発展に期待したい。株式会社化は透明性、内部統制のためにも実現させる。市場参加者の増勢は諸対策がすぐに効果出るものではないが、この2、3年でテイクオフする。
『グローバルに考え、ローカルに行動する』グローカルをキャッチフレーズに、東穀取は復活する」と今年への期待を述べた。
08年は11億円強の赤字
08年度の決算は、収益のメインとなる定率会費が出来高減少で前年比15億円減の7.8億円となったため、営業収益は12.74億円にとどまった。貸室料などの営業外収益2.09億円等を加えた収入合計は16.25億円。それに対して営業費用は人件費、運営費などを削減したが、削減できないコンピュータ諸費(7.7億円)などがあり25.12億円となった。その他、特別損失を計上して費用合計は27.84億円となり、税引き前当期損失は11.59億円となった。
09年度予算は1日平均出来高2万2500枚(過去10ヵ月の平均から算出、予納単価は上期69円、下期68円、一般大豆は上期39円、下期38円)、それによる収入は5.61億円が見込まれ、貸室料、情報・機器使用料等を加算した収入合計は10.87億円。それに対する支出は人件費を40%カットしても20.03億円が見込まれ、予算上では9.4億円強の赤字が見込まれている。幸いなことに4、5月の出来高は予算枚数をクリアし出足は好調である。
09年度の事業計画
09年度の事業計画では、今年度をグローカルな農産物先物市場の地位を確立るための基盤整備の年と位置づけ、重点政策を5つの柱として実行していくとしている。
@株式会社化を09年度中に実現するため、関係諸規定の整備を行う。A産業インフラの整備は東穀取ザラバ市場は10年10月を目処に東工取の取引システムを共同利用するための具体的な導入準備を進める。板寄せ取引システムは農産物商品特有の事情や市場流動性などう踏まえ・「取引仕法協議会」を設置して検討、一定の方向性を得る。
B上場商品の見直しと拡充では、コメの商品設計の見直し、当業者のヘッジニーズの強い畜産物などが検討される。また新種商品の開発では「東穀農産物指数」や無限月商品、取引所上場CDFの開発も。C取引参加者の量的・質的拡大のため取引所自らが主体となってマーケット活動を実践する。またアジアをターゲットにPR活動を行い、ISV業者の拡大を図る。D組織力の強化と経営効率の向上には、経営環境の変化に対応した人材の育成のため「人材育成プログラム」を構築するとしている。
会員加入金は800万円から500万円に減額された。これは持分払戻金の算出基礎となる純資産額に基づく出資1口当たりの持分払戻金が86万円から55万円に減少するため。
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取引員と協力して啓蒙
渡辺東穀取理事長談
渡辺好明東京穀物商品取引所理事長は総会後の会員懇談会で次のように語った。「今はアゲインストの風が吹いているが、状況が変わりつつあるようだ。出来高は昨年度は落ち込んだが、価格の騰落が激しく、投資家の間で魅力を増しつつある。これからは取引所と商品取引員が一緒になって先物取引のPRや啓蒙に取り組み、業界の発展を図るとともに、取引所のある人形町界隈の活性化にもつながるよう努力したい」 |