東京工業品取引所は7日、NASDAQ OMX社の取引・清算パッケージ・ソフトを用いた新取引システムを稼動させた。当日は8時30分から注文受付、9時から立会が開始された。連休中の海外高を受けてほぽ全面高で始まり白金、石油市場など7商品にサーキット・ブレーカー(CB)発動、値幅が拡大された後CBは解除されて通常取引に戻った。値動きの荒さのわりにシステム上の混乱はなく、今後は夜間取引の動向に関心が移りそうだ。
| ◇取引証拠金とCB幅 |
| 商 品 | 証拠金(円) | CB幅(円) |
| 金 | 150,000 | 100 |
| 金ミニ | 50,000 | 100 |
| 銀 | 90,000 | 2.5 |
| 白金 | 105,000 | 200 |
| 白金ミニ | 28,000 | 200 |
| アルミ | 60,000 | 10 |
| ガソリン | 195,000 | 2,400 |
| 灯 油 | 195,000 | 2,400 |
| 原 油 | 195,000 | 2,400 |
| ゴ ム | 60,000 | 10 |
この新取引システムによる注文のレスボンス時間は世界最高水準の10ミリ秒(100分の1秒)で、24時間取引(当初は23時まで。ただしゴムは19時まで)、国際標準の売買注文、サーキット・ブレーカー(CB)制度、マーケット・メイカー制度など国際市場として様々な対応が可能となった。
7日は連休明けの初日と重なったため、連休中の海外商品市場の高騰をもろに浴びた格好となり、早くもCBが発動された。いままでは一日の制限値幅(ストップ高安)に張り付くと市場からの離脱も容易にならず、市場の流動性は著しく低下した。新たなCB制度はこれまでの制限値幅に相当する値動きがあったとき、立会を5分間停止して新たな制限値幅を設定して立会を再開する。7日の取引ではCB発動の7商品(白金・銀・ゴム・アルミニウム・原油・ガソリン・灯油)の値幅が拡大(従来のストップ幅の2日分)されてから相次いでCBが解除されて通常取引に戻った。
初日の日中立会は7万6175枚
CB制度が上手く機能すれば、その日のうちに市場から離脱(決済)ができ、これまでの悩みが解消される。立会中の商い(売り・買い)も継続されるので市場の流動性が高まるとみられている。反面、このような荒い動きが続くと資金管理の難問が表面化する。7日のガソリン相場は前日比2400円高でCBが発動されて4800円に値幅が拡大された。売買単位50Klで4000円動くと値洗い差金は20万円になる。取引証拠金は19.5万円なので瞬時に証拠金が飛ぶか、倍になるか。ディトレーダーのなかには早くも歓迎の声が聞かれるが、多くはしばらく様子を見たいと慎重になっている。そのせいか稼動初日の取引高〈日中立会9時〜15時30分)は7万6175枚で4月の1日平均収引高の11万7300枚を大きく下回って終えた。この日の夜間取引は2万4635枚できた。
南學政明社長は「金融デリバティブ取引は国を超えた取引が活発化し、アルゴリズム取引など取引形態も高度にシステム化されている。いま取引所間競争は取引システムの優劣の争い。サーキット・ブレーカー制度など世界の取引手法を導入して、アジアの中核市場として確固たる地位を築いていく」と将来への期待を述べた。市場流動性の回復には「新システムへの慣れと安定さを見極めてからの参加に期待する」として、早急な出来高回復は望んでいない。むしろ国際仕様のマーケット・メイカー制度などが導入される今秋以降の海外からの取引参加者の市場参入に多くの望みを託しているようだ。