第 290回

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米良 周              
 1936年、旧満州新京市生まれ60年早大第一政経学部卒、同年日本経済新聞社入社。73年商品部次長、78年編集委員を経て、94年より日経産業消費研究所首席研究員、96年日本経済新聞社退社。
 先物ジャーナル社・代表取締役。09年同社退社
著書としては「日経商品面の読み方」(78年)「商品先物取引入門(95年)が、訳書として「金ー21世紀への展望」(88年)。近著(08年6月)「商品先物取引の手引き」(同友館刊)がある。

不安の時代、金と食が映える?
  
 某日、郵便受けに入っていた生涯学習の案内状をチェックしてみた。
 資格&特技、人気ランキング表から、気になる資格&特技を5つ抜き出し、資料請求の葉書を出すか否かを決めるためだ。(カッコ内数字は人気ランキング)
 ▽ファイナンシャルプランナー(7)=利食いは早く、損切りは遅くの実賎者たるわが身にとっていまさら。それに有資格者にも借金常習者がいる→拒下。
 ▽話し方(21)=人づきあいが変わる、とあるが、いやな奴といまさらつき合う必要はあるまい。それに入れ歯生活10年余、講演料を見込める身でもない→拒下。
 ▽週末起業(22)=ネットビジネスのノウハウ伝授とあって、ネット忌避症のわが身には不向き。この原稿だって、次男の嫁さんにファックスして打ってもらっている→拒下。
 ▽イラスト(26)=たまにある依頼原塙に色彩りを添えられる。と思ったが、高校時代、写生の時間に石神井池を描いたら、お前これは川かと教師にあざけられた腕前であることを思い出した→拒下。
 ▽英語翻訳(52)テクニックをやさしく習えます、とある。老眼を酪使して四苦八苦する道に救いはあるのか→検討中。
 「めらの目」休筆2ヵ月余。コンビニ(夕刊紙、ビール、タバコ購入)と本屋をのぞく日々。二度寝、三度寝にもあきた。「今回は4ページ建て、1ページ埋めるべし」─編集人のファックスに休筆中断に至る。
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 「めらの眼」中断中、「アングル」というコラム名でFT、エコノミストの相場に関連する記事を紹介してきたが、今回は金本位制をめぐる小論中心。
 金本位制論が一時浮上したことがある。レーガン時代、東京金取引所(現東京工業品取引所)発足前夜のころ合いだったと記録している。確か、米国の金専門委員会が8対7で復帰にノーの結論を下した。
 アパルトヘイト(人種隔離主義)の大産金国南ア、それにスターリン時代に強奪した金を大量に保有するソ連を利するだけではないか、というのが反対意見だったはずだ。
 希少ともいえる金に信用創造が制限されなら世界成長の阻害要因になる、との反対理由もあったと思う。
 いま南アは黒人主導国家、異論はあってもアフリカ大陸で希有な民主国家。しかもその産金は次第細り、いまや中国、米国にも抜かれる存在。ソ連はロシアへの移行時に金を散財、保有量は格段に落ちた。
 歯止めなき信用創造。いま法定不換紙幣は刷り増しと、その結果としての通貨価値切り下げ競争の最中にある。
 金本位制という亡霊?が一部の人々とはいえ金投資の動機として働いているのは事実だ。
 かねてそのご著書で、米国の金評価替えを根拠に金高値時代を予言されてきたのは知る限り、日本では高橋靖夫博士だけである。
 高橋さんのご意見をうかがってみたい。
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 「サウジ、海外の食料品確保に8億ドル充当」
 英紙ファイナンシャル・タイムス(15日付)世界ニュース面の見出しだ。
 「サウジアラビアは海外の農業プロジェクトに投資する目的で新たに設立する公共事業体に8億ドルを投じる。リヤドが王国の食料品需要を満たす目的で供給をアウトソースする大がかりな計画を示すものだ」
 「公的資金を食料供給確保のため投入するのは08年の食料危機とリヤドが水資源保全目的で小麦の国内生産から段階的に撤収する決定に対応する動き。アブドラ・アル・オパイド農業副大臣は『新公共事業体は海外に投資する私企業を助け、共同で食料の輸入依存度するのが目的』と述べている」
 「オパイド氏は『長い間輸入してきたのになぜ、と聞かれるかもしれない。が、我々は自分自身で食料を確保したいのだ』とFTに説明し、『8億ドルは初期資本でいわば第一段階、増加していく』とも付言している」
 「石油に富む王国は食料輸入依存度が極端に高く、08年夏この体制打開のため海外農業への投資を計画した。オパイド氏はリヤドは少なくとも3ヵ月から6ヵ月分のコメと小麦の戦略備蓄を築き上げたいとしている。農園を保有する目的で接衝中の国はアフリカ、アジア、東欧の各国、オーストラリアに最近はアルゼンチンにも手を延ばしている。農地は最低、5万ヘクタール」
 サウジは先に2016年までに小麦の国内生産を段階的に停止する方針を打ち出していた。1970年代に小麦の国内生産を進め、年間250万トン規模に及んでいた。段階的撤収策を受け09年の小麦輸入は150万に達する見込み。
 サウジの食料アウト・ソーシングの記事下に「現代、ロシア極東部で5万ヘクタールの植え付け」という囲み記事が出ている。
 大宇ロジステックスによるマダガスカルでの農産物(特にトウモロコシ)生産計画が新政権によって破棄されたが、「人口密度が高く、資源に乏しい韓国のアウト・ソーシング意欲は強い。現代重工業は14日、ロシア進出を明らかにし、トウモロコシと大豆を中心に生産、韓国の畜産農家への安定供給に努める、としている」
 食料安全保障の波─食料品の国際価格にどう影響していくのだろうか。ひも付き分が国際自由市場の枠外に置かれる。波乱要素が高まると読むべきなのだろうか。

 (週刊 先物ジャーナル 09年4月20日 第985号 掲載)

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