◇市場再生への道 一般企業は努力の限界にある
再勧誘の禁止は見直す時が来た
◇“先物寸言”正直に応えて
◆粗糖 キョウから板寄せ取引に復帰
◆夜間取引 31社が参加表明
◆商品先物取引会社 上場9社中8社が赤字
◆“アングル”欧米でゴールド(投資)ラッシュ
市場再生への道 一般企業は努力の限界にある
再勧誘の禁止は見直す時が来た
取組高の減少に、ようやく歯止めがかかろうとしている。だが、取引員の企業努力で何とか現在の水準を維持しているに過ぎない。各取引所の市場振興策もこれといった決め手を欠き、無為無策のまま日が経過している。「再勧誘の禁止」で身動き取れない外務員の動きも鈍く、抜本的な制度改正を求める声が少なくない。
商品先物業界の負の遺産(紛議多発によるダーティ・イメージ)が重くのしかかっている。襟を正し、コンプライアンス重視の営業展開を続けているのに、いまだ取引員悪の認識を一掃できないでいる。委託者の苦情申し立てに、まず取引員の落ち度を洗い出す前に自己責任原則を顧客サイドに分からせなければいけない。契約段階の入り口時点ににまで遡って「契約の無効」を判定されては、どんなに気配りを万全にしても業者サイドが不利になる。かつての和解商法が通用した時代ではないこと、そして最もコスト高なのが委託者紛議であることを十分に理解している。「だから安易な和解金支払には応じられない」それが普通の経営者の声ではないだろうか。
業界の出来高不振は深刻だ。このままの地合いが続くと、前年比ベースで大幅なマイナスとなる(2面の上場9社の第3四半期決算を参照)。すでに07年度決算で、赤字企業が全体の70%を超えた。08年9月期では黒字12社、赤字35社という数字がでている。赤字会社は全体の74%を占める。年後半の頑張りがあっても、その後の出来高推移から見て黒字転換の期待は薄い。
業界の出来高不振は外務員の減少に比例している。
かつての稼ぎ手であった外務員は取引員経営の方針転換で、高給取りの外務員ほど企業の重荷となった。業務縮小(営業所の削減、04年3月末461ヵ所が08年11月末180ヵ所)は外務員の整理淘汰(リストラ)を呼び、04年3月末に1万4449名いた外務員は08年11月末には5839名に減少した。09年3月末に5000名残存できれば、少なくとも現状水準は維持できると思えるが、減少に歯止めがかからないようだと、さらに業績悪化を招きかねない。
「安易なリストラはその分、業績が低下する」と危惧されていたことが、現実化している。生産基盤を持たない取引員経営にあって、外務員の生み出す収益(委託手数料など)が最大の収入源であった。人を「人財」として社員教育にも力を注いでいた会社が、ある日突然にリストラを打ち出し、業界に蔓延した。「会社が生き残るためにはリストラもやむを得ない」といっていた経営者も、その後の業績ジリ貧で頭を痛めている。新規顧客の獲得で現状打破しようにも、再勧誘の禁止が重石になって身動きできない。
営業(セールス)の現場では、新規取は入社1年目から3年目ぐらいの間がよい成績を上げている。毎年2000名強の新卒社員を迎え入れていた業界も、この2、3年は年々減少している。登録外務員数の統計から見て06年が1500名ほど、07年が750名ほど、08年は400名そこそこにまで落ち込んでいる。新陳代謝の衰えが、企業の活力を低下させている、といっても過言ではない。
この不況からの脱出には、人材の確保と社員のやる気を喚起するアドバルーンを高々と掲げる必要がある。ひと昔前ならばブルーチップを撒き散らしたりしたものだが、過当勧誘の誤解を持たれても困る。一社だけの活動には限界があるので、ここは業界挙げての啓蒙運動(グッド・イメージの先物業界)に期待したい。
「我々は復活する」
25日付日本経済新聞夕刊のオバマ演説の一面見出しである。オバマ大統領は24日の議会演説で「我々は再建し、復活し、米国はより強くなる」と明言し、国民の団結を訴えた。いま我が商品先物業界も復活を目指して、団結するときにある。そして一日も早く再勧誘禁止の重圧を取り除くことだ。
(高橋伸幸)
(日本商品先物振興協会ネットより) |