東工取=ドル建て金上場へ
限月のない証拠金取引で詳細詰める
東京工業品取引所は08年12月1日の株式会社化移行と同時に、変革のためのスタートダッシュとして120日計画を立ち上げた。そのなかに役職員の意識改革とともに、出来高の∨字型回復につなげるマーケティング強化を掲げている。実行計画のひとつに品揃えの充実がある。TOCOMインデックスの09年度中の上場実現、軽油・重油など石油市場の拡充と併せて、既存商品の見直しも検討されている。そのひとつが金のドル建てOTC取引の開発だ。
金市場はいうまでもなく東工取のドル箱商品、世界的な金融不安が深刻化する中で資産ヘッジとしての金の役割が見直されている。深刻な出来高不振に喘ぐ国内の商品先物市場にあって金市場への依存度は日増しに強まっている。
金ミニ取引が普及浸透しつつあるが、そこに新たにドル建て金の上場が加わる。先物取引の顧客定着のネックとなっていたのが取引期限、いわゆる限月による決済期日があらかじめ決められていること。
外国為替証拠金取引(FX)は決済期日をロールオーバーすることによってポジションを持ち続けることができる。これが人気化した原因とも言われている。東工取が目指すドル建て金はこのスタイルを導入し、新しい商品先物取引の確立に向けて動き出したといえる。
詳細については、まだ不透明な点が多々ある。OTC(店頭取引)デリバティブとして商品化するのか、その時のマーケット・メーカー(MM)は、取引単位はミニか、1kgか、1トロイオンス(3.1035g)か、現物の受渡をどうするのか、その時の決済通貨は円か、ドルか、など解決する問題がたくさん残されている。陽の目を見るまでには、かなりの時間が必要のようだ。
顧問に江崎格氏
東京工業品取引所は20日、江崎格氏を21日付で顧問に迎える人事について発表した。
江崎格(えぎき ただし〉氏は昭和16年生まれの67歳。同40年東大法学部卒、通商産業省〈現経済産業省)入省し、商務・サービス産業室長(現商務課)時代に金の上場実現に尽力、その後は資源エネルギー庁長官、産業政策局長などを歴任し、退官後は野村総合研究所顧問、商工組合中央金庫理事長として民営化を実現した。
南學政明社長は「江崎氏が金上場を実現するなど先物市場に豊富な知識を有し、また資源エネルギー関係にも造詣が深い。産業金融にも詳しく、昨年12月1日から取組んでいる中期経営計画の業務遂行を指導できる人」として、強い期待を寄せている。 |