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勧誘なくして流動性なし
沼野 龍男
登録外務員の研修テキスト「受託業務の基礎知識」では、不特定多数者の商品先物取引への勧誘に際しては、この取引の特性や仕組みについて十分な理解を求めねばならないとしている。一般的には商品先物取引に係る営業はまず商品先物取引を解説することから始まるのが普通である。登録外務員は顧客に対して取引の正しい知識を与えることが求められる。「商品先物取引とは何ぞや?、まずは啓蒙活動の中で先物取引への理解度、興味関心度、経済・社会動向への知識レベル、資産内容等々をアンケートで聞き取り、将来勧誘対象になりうるか、どうかを判定せよと教えている。
○先物取引とはどんな取引なのか。その仕組みや制度、歴史など。
○他の金融商品との比較。
メリット、デメリットなど事実を包み隠さず知ってもらう。
○先物取引をどの程度知っているか。金融商品や投資への興味・関心度などを収集する。
アンケートと称して、先物取引の有利性を強調したりすると「勧誘」とみなされ、勧誘告知義務違反に問われるので要注意である。
商品先物取外に偏見をもつ人や知識をもたない人々に、正しい知識を得させることを「啓蒙」と定義づけている。
この段階で、相手が「知りたくない」、「聞きたくない」と断ったとしても、それは不招請勧誘には当らない。「また伺いますので、よろしく」と退席すればよい話。
他方、「勧誘」とは『商品先物取引の委託契約締結または締結後の個々の委託の意思形成に影響を与える程度に勧める行為』と定義されている。
○先物取引を始めませんか。
○取引数量を増やしてみませんか。
○少ない資金で、大きな利益を得ることができる取引です。
先物取引のメリットを強調するなど、客観的にみて顧客の意思決定に影響を与えると考えられる場合は、「勧誘」に当たる。外務活動はまずはじめに啓蒙活動ありき、そして然るべき後に勧誘活動が始まると教えているのだ。
外務員の人柄も分かってもらい、顧客とのコミニュケーションもとれ勧誘に進めるか、否かの判断がされるまでには数回の面談を要するだろう。このプロセスはいい加減には済まされない。その顧客が勧誘対象から外れても、啓蒙が十分なされていれば適格性のある知人を紹介していただくことにつながるかも知れない。「この健康食品はいりません」、「浄水器はいりません」、「うちはリフォームはしません」などと同じ次元で取り扱われたくない。新規開拓なくして、流動性なし。 |