平成21年 11月30日(月)(毎週月曜日発行)第1016号
  発行所 有限会社 先物ジャーナル社
        発行・編集人・高橋 伸幸
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業界発展への道─C 安く現物を売買 啓蒙もそこに重点を
◇“めらの目”中国でニンニクバブル 小さな市場の先見性?
◇“先物寸言”貨幣としての金、商品としての金
◆日商協=09年度は2500万円の赤字予想 運営準備金1億円割る
◆先物協会=月内にJCCHに要望 スパン証拠金への取組
◆取引員の意見聴取=中大取、金市場振興で
◆“アングル”白の婚礼、中国のプラチナ需要押し上げ
       ロシア、金準備積み増し、15.5トン
◆石油の受渡 過去最高を記録=中部大阪商品取引所
◆ヘッジャー向けのセミナー 製造業者など35名が参加


業界発展への道─C
安く現物を売買 啓蒙もそこに重点を
  
 日本の商品先物取引には世界の商品先物取引とちょっと違う魅力的な点がある。それは現物の授受が大きなウェートを占めていることだ。これは「取引所では安く購入できる」というメリットがあるからに他ならない。系列、規制下の日本にあって、自由な現物授受を観念論としてではなく、実例を挙げ、もっと啓蒙・PRする必要があろう。
市場経済研究所 岡本 匡房)
 「差金決済が原則」とは商品先物取引についてよくいわれる。先物取引はいうまでもなく現物取引から生ずるリスクをへッジするために生まれた。それだけに「少ない証拠金で売買差益、差損を決済する」のが原則だった。だが、最近「現物授受への回帰」が目立ってきた。特に顕著なのが石油製品。ガソリン、灯油とも当業者がリスクヘッジの場としてではなく「現物売買の場」として捉える傾向が強い。これは取引所で形成される価格が業転物価格や元売りの特約店卸価格より安いことが多いからだ。
 中部大阪商品取引所の納会値をみると、このところ、すべて資源エネルギー庁調べの特約店卸価格を下回っている。2008年は平均で毎月18.58円、09年は8月までで9.44円も安い。
 ガソリンはブランドによって購入する客が極めて少ない。ほとんどが1円でも安いスタンドを求めて動く。それだけに、常時、元売りの出し値より安いことはスタンド間の競争では最大の武器になる。この結果、先物取引への当業者の参加が増え、流動性が高まり、「産業のインフラ」としての役割も強まっていく。このような点を取引所はPRしているが、業界も挙げて啓蒙・PRしたらどうだろうか。
 実は、このような例は金でも当てはまる。金は売買に懸かるコスト〈手数料)が大手地金商より安い。そこで、取引所を通じて現物を売買する方が地金商を経由するより遥かに安くつく。
 だがこのような事実は一般にあまり知られていない。日本経済新聞でもよく、商品ファンド、商品先物取引、FX、外貨預金なりど各種金融商品を取り上げるが、このような視点から論じたものはない。
 そこで、商品先物取引を啓蒙・PRする場合、このような視点を取り入れたらどうか。手数料が入るだけでなく、新規の顧客開拓にも繋がる。実は、一部商品取引員はすでにこのような視点で顧客を勧誘している。現物取引のメリットは他にもある。現物を持っているお客がへッジとして先物取引を行う可能性があることだ。
 それだけではない。現物取引は勧誘規制の対象にならない。これは純金積立でも同じだが、セールスに苦しむ外務員には新しい勧誘ツールを提供することにも繋がる。
 いま業界は「公正な価格形成」「リスクヘッジ」を啓蒙・PRの前面に打ち出している。だが、このような、まったく新しい視点での啓蒙活動も顧客開拓・流動性向上に寄与するのではないだろうか。
 (2009年11月30日―第1016号)
              

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