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勧誘対象の選定
沼野 龍男
財務省は11月10日、国の借金(国債と借入金、政府短期証券の合計)の総額が9月末時点で約864兆円に達したと発表した。
これを如何様にして返すのかを論ずるつもりはない。日本の個人金融資産の総額は約1400兆円といわれ、その60%が60歳以上の高齢者(?)の保有であるとされている。この額は840兆円で、奇しくも「国の借金」に近い値である。日本人の平均寿命が85歳とすれば、鬼籍にお入りになる人々の相続税が今後25年間で約420兆円(840兆円×50%)となり、それが国の収入になる計算である。こんな失礼な勘定を予定されているとは思わないし、有資産者もあの手この手で有利に相続するであろうから、現実的には少々差異が生じようが、的はずれではあるまい。
個人金融資産と一口にいうが中身は様々であろう。銀行の預貯金は実質マイナス金利に等しいから有利性はゼロ。数年前、かつてミスター円と称された方が、自分の運用資産のほとんどを国債に転換したとの理由に同調して買った人も多いらしい。国が破れない限り安全性は高いが有利性には程遠い感がある(余談ながら筆者なら、金定額購入システムの利用を薦めるが)。
さて、労働者の所得レベルを計る資料の一つに標準生計費という概念がある。衣食住、教育、通信、娯楽、嗜好など全てを網羅している。標準生計費を100とすれば、150を愉楽生計費と指数化していて、地域別、世帯人員別、年齢別などの区分で計算されているもの。
60歳の人が余命25年と仮定して85歳までにどの程度の可処分財産が必要なのかを生計費の数値から拾ってみると、年金や雑所得も込みで年240万円、85歳までに6000万円くらいが必要と推計される。さらに愉楽生計費レベルでは9000万円が算出される。
米国先物取引業協会(FIA)の定義によれば、「先物取引に投入される資金は家族の福利を害さない、また生活の基盤を変えることのない範囲の資金」と表現されている。となれば、少なくとも標準生計費、できることなら愉楽生計費を超える余裕資金でなければならないことになる。その判断基準をいかにして得るかといえば諸々のアンケートによる情報収集しかないであろう。これらを基に、勧誘対象となるか否かを判断する。
勧誘対象(適格性あり)には更なる説明充足を欠かさないことは言うまでもない。
残念ながら、先物は勧誘できないと判断した方には「金定額購入システム」を提案して、金現物投資の魅力と金価格の推移に注目していただくことを忘れないことである(尚、筆者には金ミニ取引は本来的先物取引とは思われないので勧められない)。 |