株式会社東京穀物商品取引所
新たなスタート 市場参加者と共に歩む共生へ
東京穀物商品取引所は11月2日、会員組織から株式会社に組織を替えて新たな時代への第一歩を踏み出した。初代社長には前理事長の渡辺好明氏が選出され、取締役9名のうち7名が社外(取引員から3名)から選任された。資本金は12億3000万円、財務基盤の強化と意思決定の迅速化でどんな舵取りが行われるのか、衆目の関心は市場流動性の回復ただ一点に注がれている。
渡辺好明社長は2日の会見で、「会員組織から株式会社に組織変更して新たな時代に踏み出した。株式会社化で経営基盤が強化され、意思決定も早くなる。会員の90%以上に協力を得られ、長い農産物市場の歴史の新たなスタートが切られた。1年後には改正法が完全施行されるが、市場参加者と共に歩んで再び賑わいを呼び戻す」と決意を述べた。
このベースにあるのがグローカルな取組。「地域社会とも手を携えて、グローバルにも目を向け国際対応もしっかりと、グローカルな農産物市場の発展を目指す」というのが、年初来からの東穀取の方針でもある。
何よりも株式会社化で財務基盤が強化されたことが大きい。会員制のときは脱退による持分の返還に応じなければならなかったが、株式の保有でそれに対処できる。運営費・システム費・人件費もぎりぎりまで削減している。システム費はザラバ取引の撤退で月額2000万円程度の減額が見込まれ、最終的には利益を出して、株主に配当することが目標となる。
魅力ある新風商品の開発ではコメ、小麦などの大型商品が候補に上がっている。渡辺社長は「農産物の価格変動があるから市場がある。在庫事情などユーザーに起因する価格の変動も大きいが、コメ政策が確定していないため今すぐ動くのは難しい」と上場に向けては慎重な構えだが、「タイミングを外さずに出るときは一気に」農政の動きをキャッチしていくとしている。
いま業界の喫緊の課題は市場流動性の回復にある。新規商品の開発よりもいまある商品のテコ入れが先のような感じがする。ファンダメンタルズの見直しから粗糖、コーヒーが面白いというが、なぜ人気が盛り上がらないのか。取引を小口化した一般大豆のその後の伸び悩みは相場付に魅力が乏しいからなのか、根強いファンがいる小豆市場の復活に何が必要なのか、大胆な市場振興策を実施するほかに手立てがない。周りもそれに期待している。
◇取締役
代表取締役社長渡辺好明、代表取締役専務山野昭二、取締役加藤雅一(岡藤商事会長)、木村良(木徳神糧会長、全国米穀販売事業共済協同組合理事長)、佐藤浩雄(伊藤忠商事執行役員食糧部門長)、戸舘勇幸(オリオン交易会長)、野村一正(農林中金総合研究所顧問)、林康史(立正大学経済学部教授)、二家勝明(日本ユニコム会長)、監査役浜田英俊、袖山裕行(公認会計士)、高木賢(弁護士)。
◇執行役員
常務執行役員(総務部・システム管理室担当)畑野敬司、執行役員(市場部担当)秋元修、同(営業広報部担当)伊藤國光。 |