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商品市場に投資マネー 原油や金価格高騰
高橋 伸幸
 この表題は10月21日付の日本経済新聞3面総合欄の見出しである。「国際商品相場が騰勢を強めている。(中略)景気低迷で実需は弱いが、米国の株価上昇やドル安・ユーロ高を追い風にヘッジファンドなどの投資マネーが商品市場にも流人している」という。
 海外高はストレートに国内の商品市場に反映されるのが普通だが、為替のドル安は円高で上げ幅が相殺されるので、海外の熱気がそのまま伝わらないのが煩わしい。どうしたら日本市場に活気が呼び戻せるのだろうか。

 海外にあって、日本にないもの
 まだアメリカがバブル景気で賑やかな頃、アメリカ市場では投資銀行が辣腕を振るっていた。日本の金融市場が海外に大きな遅れをとっていた背景にはこの投資銀行の存在が大きかったといわれている。08年9月のリーマン・ショック後、投資銀行の役割は大きく後退して業態変更を強いられたが、当時の最大手ゴールドマン・サックスの健在ぶりは相も変わらない。
 今回の商品投資ブームはドル安が背景にある。ユーロ圏の国民はユーロ高の恩恵を受けてドル建て商品はも言えるはずだが、その兆しが一向に窺えない。その端的な答えは、日本市場には海外に見られる機関投資家が不在であるからだといえる。
 もし今、仮にヘッジファンドに終始するだろう。いまの日本市場では金魚鉢になまずを放り込むようなもので、いくら市場流働性が欲しいといっても器にあった投資家の参加を呼ぶ以外にない。一気にポリュウムを倍増させるのはなかなか容易ではないのである。
 いま日本の商品先物市場は国際化の狭間で揺れ動いている。東京工業品取引所が海外の市場参加者に向けて熱いエールを送り諸政策を断行しているのも、市場流動性の担い手として期待しているからに他ならないが、取引システムを国際仕様の最高レベルのものにし、マーケットメーカー制度やリモートメンバーシップなどを導入したが、海外からの顧客はまだ現れる気配がみられない。世界をまたに駆けて躍動している投資家にとって日本はただのローカル市場の存在に過ぎないのだろうか。
 であるならば、東京穀物商品取引所が打ち出した「グローカル市場」として、もっと国内ユーザーの掘り起こしを優先させるべきではないだろうか。その東穀取も国内の当業者開拓には四苦八苦しているのが現実だ。それほどに新規顧客の獲得は難しい。
(週刊 先物ジャーナル 09年11月2日 1012号 掲載)

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