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人としての暖かさが欲しい
編集長 高橋 伸幸
 8日未明、台風18号が本土に上陸した。日本各地がかなりの被害に見舞われた。当日の朝の通勤混雑は想像に絶する。駅ホームにたどり着くも停車中の電車はいつ発車するか分からない。そのまま辛抱して30分後に発車、乗換駅に到着したが今度はホームに入れず、そんなこんなで3時間あまり費やして出社するもクタクタだ。
 一休みする間もなく、読者から電話が入る。「商品先物取引の会社はどこも台風コメントを乗せていない。金が高いなどの市況コメントよりも台風お見舞いの言葉が欲しい」とかなりの御冠。「証券会社では早速、台風被害のお見舞いを申し上げているのに、こちらはそんなやさしい気持ちがひとかけらもない。客不在といわれても仕方がないですね「と。
 電話の主は、つい最近まで先物取引に係っておられたY氏で「先ほど2つの取引所に連絡したが、一つは真剣に聞いてくれた(と思う)が、もう一つは地震の時はコメント流したとそっけなかった。商品取引会社では三菱商事フューチャーズが前回(8月9日)台風の時、災害見舞いを出して特別売買の便宜を図ったことを記している。お見舞いの言葉は『人としての温かさ』を表している。暖かな気持ちを相手に伝えられとら、損して止めたお客様Lもう一度カムバックしてくるのではないか」と、客不在(?)に悩む先物業界へのアドバイスまでくれた。
 早速、証券取引所と証券会社のホームページを開いて見たが、開いたページが悪かったのかどこもにも台風コメントはみられなかった。いずれ被害の実態が明らかになるにつれて何らかの見舞いのコメントが寄せられてくるのであろう。証券の世界でも、最近は外務員を介しないネット取引で株式投資をする人が増えているという。その顧客は全国津々浦々に分散しているわけだから、今回の台風で甚大な被害に会われた方も少なくないであろうと推測される。
 対面取引では直にお客様の被害の実態が伝わってくるので、見舞いの言葉も個々に迅速に対処できるから会社の対応も早い。久しぶりに各社のHPを開いてみて、市況ニュースの充実には感心される。情報公開が一般化して、パソコン操作が多少できれば居ながらにして商品相場を楽しめる時代になっている。後はY氏が抱いている印象の払拭にある。氏は「商品業界には優しい気持ちがない」という。台風見舞いコメントを例にいった言葉だが、的外れでもない気がする。顧客に親しまれ、愛される会社、業界にするためには、それをどの様に具体化して実行するかだ。だが、やさしさは大損につながることもあるので気を付けたい。
(週刊 先物ジャーナル 09年10月12日 1009号 掲載)

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