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相場はシンプルこそ人気のもと
西原理恵子のFX実践漫画を読む
 金子 西原さんの新刊(『西原理恵子の太腕繁盛記FXでガチンコ勝負!編』新潮社)読みましたよ。すごいね。こともあろうにサブプライムローン・ショック直前にFXを始めて、世界経済大荒れの中でもろ大損。しかし、ウソみたいに劇的なタイミングだよね。
西原 サブプライムショックの3日前に、持ち金の1000万円、全額突っ込んじゃいましたからね。私、昔からそう。賭場で縁起悪い。でもそれまでは右肩上がりで順調に儲かっていたんです。「このままずっと買いでいこう!1000万で借金1億6000万を完済!」とノリノリ。私は主に米ドルと南アフリカ・ランドを買ってたんですが、結局一番高いときに買って、一番安いときに手放すというダメダメで終了しました。
金子 それで、クジラに食べられるプランクトンになっちゃったんだ。
西原 しつこいようだけど、途中までは、お金が増えてたんですよ。特に高金利で有名なランドは一時、「利子が利子を生んでる!!お金がお金を守ってくれとる!!」とお祭り状態。
金子 その時に利益確定は考えなかったの?
西原 で−いっ!パチンコ台がフィーバーしてるときに、やめるバカなんているかいっ!だいたいFXでは蛍の光が流れたり、「閉店です」「打ち止めです」と言ってくれる人が誰もいないから、延々と続けちゃうんだよ。200万儲かった日があっても、やめ時がわかんねえっちゅうの。結局あれは1玉4万円のパチンコ台だったな…。
週刊新潮(10月1日号)の西原理恵子(漫画家)×金子勝(慶応大学経済学部教授)の特別対談の冒頭部分を書き映してみた。
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いま投資関連本の人気bPはFX関連である。この原稿を書く前(9月30日)、駅前の書店で、数えてみた。FX=21、株式=10、ETF=2、CFD=1、商品先物はゼロ。西原本はどこにも見当らない(筆者が買い求めたのはゲラ直しに上京した25日だが、千葉郊外の書店には例によって1〜2週遅れるということだろうか、それともマンガコーナーにまぎれていて見落としたのか〉。
西原さんがFXに乗り出した経緯は、新潮社の担当者を介して、IT企業の社長、青山浩氏から「会社新プロジェクトの目玉企画用に、ちょっと大人でケツの割れるゲームをやって漫画にしてくれないか」と話があり、受けて立ったと、漫画に書かれている。
本体1100円(税別)。これは相場の姿形を知るには絶好の本だと思い紹介してみた。1000万円が消えるまでの経過はお読みいただくとして、西原さんのFX体験を通じての教訓を1問1答にした次の表が出ている。
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祝!1000万円損失紀念 FX卒業できるかな
@ズバリ、「FX」とは何の略ですか?
ファイナンシャル エクスプローラー
少ない投資でがっちょりもうける。
AFXで勝つための三箇条答えなさい
素早い損切り、手堅い利確、10億以上の倍々プッシュできる体力
BこれからFXを始めようとしている方々にひとこと
レバ1倍で
Cリーマン・ショック以来、100年に一度の経済危機と言われていますが、悪いのは誰?
みんな。
D資本主義の限界もささやかれていますが、これからは「○○資本主義」が理想的だと思いますか?
ものつくり資本主義
たとえば1000円の魚が5000円で売れるなら半分は漁師さんのところへ作る人買う人のフェアトレード。
でも私だけがもうかりたい資本主義
名 前 さいばらりえこ
@Foreign exchange
Aロスカット・豊富な資金・ゆとり
B土日は必ずまたがないようにポジションをクローズして下さい。スリルを買うという気持ちで。
Cアメリカの金融マン
D実体資本主義(プロフェッショナリズム)
名 前 青山 浩 |
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西原 私たち結局、世界経済にボッタクリ喰らったの?
青山 いや、世界経済にカツアゲされたんとちゃいますか。
西原 …。何なの、リーマン・プラザーズって。どこの兄弟?
青山 ライト兄弟の親戚のようなものではないでしょうか…。
西原 私の大事な一千万円はどこに行ったの?
青山 私の大事な二千万円もどこかに消えてしまいました。
西原 私たち、何が一番いけなかったのかな。
青山 やっぱり、アメリカでローンを払わない人がいたのが、いけなかったんじゃないですか。
西原 もういいよ(笑)漫画の幕間に出てくる対談である。FXキングなるFX会社に多角化路線の一環として踏み出した青山氏、そのキャンギャル格の西原さん。敗戦の対談に(笑い)がはさまっている。
西原本の読後感。
相場への挑戦者には事欠かない。青山社長に誘われた西原さんも、最初は右肩上がりのドル相場のチャートに魅入られた。上か下かシンプルさに引かれたといえよう。青山氏は結局、FX会社を手じまうが、自分も卆先参加している。ぐだぐだいうより卆先実行。これなら客もついてくる。
参加者である西原さんも理想的な客。すべてが自己責任で、一問一答にみるようにFX取引のかんどころ(だと筆者は考える)を最後にはとらえている。FXをファイナンシャル・エクスプローラー(探検家〉とするあたり、相場の本質(プライス・ディスカバリーに通じているといえよう。
ああだ、こうだと損をするたびにいちゃもんをつける客が多きに過ぎ、弁護士のメシの種業界の様相を呈した一時の商品先物との違いは、あっけらかんとした客の多いFX業界(一時は悪徳業者があふれ返っていたが)との違いであろう。
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シンプルさなら商品も負けてはいない。
「紅茶、砂糖─悪天候懸念で新高値」(英紙ファイナンシャル・タイムス、9月30日付商品欄見出し)
「ケニヤの紅茶価格が新高値を付ける一方、砂糖価格も約30年振りの高値を記録した。主要輸出国の悪天候が生産低下を呼ぶという懸念が高まったためである」
「世界最大手の産糖国ブラジルでは最大の砂糖きび生育地域中南部の大雨で収量・生産の低下が見込まれている。先週、ブラジルの生産者団体Unicaは2010年3月までの中南部の産糖量は4月予測の3120万トンから2940万トンに落ちると下方修正した」「オランダ本拠の紅茶ブローカー、バン・リースは『世界の紅茶市場は需要好調が続いている。さらに上昇するかどうかは東アフリカの降雨いかんにかかっている』と述べている」天候次第。まさにシンプルではあるまいか。
筆者はコンピュータをいじらないので、ブラジル、東アフリカの天候はなかなか知ることができないが、悪天候が作柄に影響するとあれば、FTの商品欄に出てくる。
商品先物のいわば原点は天候に左右される農産物。かつて小豆、大手亡が人気商品だったのは作柄が天候に左右されやすかったからだ。手亡はいまはなく、小豆は天候に強い品種登場と中国産のシェアアップで人気商品とはいえない。
日本発の天候相場商品を発掘・育成してみてはどうだろう。西原さんも自主参加する? |