対面営業部隊を動かすのは…
セミナー型営業の難しさもあり、
まだ営業スタイルの確立を摸索の段階
業績不振に喘いでいる商品先物業界。出来高不振の背景には業界の預かり資産の大幅減少(前年比4割近く減少で1913億円(32社)がある。一度減らした資産を元の水準に引き上げるのは倍の時間と手間がかかる。
かつては新規委託者の獲得によって落ち込みをカバーしてきたが、その回転が効かなくなっている。営業に対する行為規制が重圧となっているからだ。それでも委託者数は取次取引員を含めた40社合計で8万人(09年3月期末現在)を維持している。少なくともそれだけ先物ファンがいるわけで、それをどう自社の顧客に取り込んでいくか…。
いま受託会社(取引員)の多くがセミナー営業を展開している。自社会議室を使ってのミニセミナーから外部ホールを借りての講演会形式など、その方法は様々だが、会社を知っていただくひとつの方法ではある。講師も外務員自らが受け持つなど勉強の跡が伺える。
セミナー参加者はそのままハウスリストとして管理されるようだが、簡単に新規締結につながるわけではない。その苦労を知る経営者のなかには「年寄りばかり、労多くして報われない」と後ろ向きな人もいる。お金をかけないで会場を一杯にするには集客にもひと工夫が必要になる。それでもテレコール全盛時代のような人海戦術は通用しないのだから、まず見込み客探しのひとつの手段として取組んでみるのも必要であろう。続ける根気と努力が不可欠なことはいうまでもない。
新規顧客の開拓は見込み(その場で即顧客というケース=即決も時にはあるが)探しから始まる。その方法が一昔前は飛び込み営業、そしてテレコール営業と変わったように、いまがセミナー営業の時代に入ったといえる。これからその成功事例が業界周辺に広まり、類似の営業スタイルが確立されてくるのではないかと期待されている。
いま情報はかなりオープンにされている。時には外務員よりも顧客の方が知るのが早かったりするので、「外電が高い…」だけでは顧客の満足度は得られない。セミナー顧客はそのときの内容を十分に承知なのだから、相手をする外務員もその時の内容を吟味した上で顧客に接していかなければ先の話が進まなくなる。テクニカル分析やファンダメンタルズによる補足、時には手口分析や業界の噂話など、頼られる外務員になるにはそれなりの工夫、努力が必要になる。知ったかぶり、知識のひけらかしは慎む。
セミナー参加から締結まではかつてよりも時間がかかると思われる。会社の名前による集客であって、自分で開拓した見込み客でないから初回訪問では自己PRから始まる。それを省いていきなり商談では「名簿をくれ」というのと同じ。それまでに時間と費用をかけて作った名簿だけに、通り一遍のアプローチで終わらせてはいけないと思う。しかし、今度は営業のコストがある。時間をかけて見合う顧客か、そうでないかの見極めが大切になってくるのではないだろうか。
〈高) |