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ミニ取引とアマ
沼野 龍男
07年6月、経産省は「工業品先物市場の競争力強化に関する研究会報告書」を発表した。骨子は東工取のプロ市場化と市場参加者の利便性、信頼性の向上である。これに基づいて、着々と準備進行している。
@世界最高水準の新たな電子システムの早期導入については、10月31日の東工取の説明によると、すでに会員や外務員への説明会も何夜か行い、09年春ぐらいには次期システムでの模擬売買も予定とのこと。国際標準の取引機能が導入されることから、成行注文も廃止されるほか値幅制限はグローバルスタンダードのサーキットプレイカー(CB)制度に変わる。また注文表示等は英文となる、とのこと。
Aアジアの中心市場としてふさわしい取引時間への延長については、今年1月より従来の午後3時半から2時間延長して午後5時半までとなった。各取引員は時間外で何とか吸収し、人員増は避けてきた。09年5月以降は23時まで延長される予定だが、何時まで対応できるかは各取引員の個別能力に応じると説明された。業界の諸団体維持費に年間約100億円を分担している取引員がツメに火を燈して生存をかけている折、それはないでしょう。夜間相場は時として大きく振れることがあるが、翌日には収束することが多い。バタバタせぬ方がお客様のためでもある。
B一般投資家の保護をはじめとした市場の信頼性の確保については、ロスカット取引、小規模取引商品の導入などが目標とされている。この具体化のひとつがミニ取引であろう。リスク許容度の低い投資家にとっても安心して取引できる商品で、受渡ができないことは玉締め〈スクイーズ)などで不当な相場が形成されないばかりか、ロスカット制度を採用する(受託取引員にリスク負担が生じるので、取引員の同意がいる)ことで、その主旨を実現するとしている。標準取引をプロ化市場に位置づけ、ミニ取引をアマ中心市場とし、両市場を平準化するために、裁定取引や鞘取りを行うプロに架け橋となってもらう目論見らしい。しかし、流動性の小さい市場にプロは参入してこないし、万一あっても小さな取引でも大きく変動し市場は機能しないことを経験している。11月10日、東工取の白金ミニ取引が始まった。収引単位は標準取引の5分の1、本証拠金は15万円の5分の1より1万円多い4万円としてカバー率を高く設定したと説明された。同じなら6万円にすればワンストップでも追証がかからないで済むのにと思う。くどいようだが、100gの現物が受けられないのが重ねて重ね残念。 |