平成20年 11月10日(月)(毎週月曜日発行)第963号
        発行所 有限会社 先物ジャーナル社
        発行・編集人 高橋 伸幸
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習熟期間の資産管理
 顧客の意思が反映されないから、顧客が育たない
◇“めらの目”商品、金融危機織り込んでも実体経済悪化はまだ
◇“先物寸言”一平さんの顕彰額
◆10月の出来高 東工取が全体の85%占める
◆くりっく365 2ヶ月連続で最高記録更新
◆“自著を語る”ギャンブルトレーダー
◆自殺農民も出るパーム油崩落


習熟期間の資産管理
顧客の意思が反映されないから、顧客が育たない
   
 このところ相場の乱高下に悩まされている。ストップ高安が日常茶飯事のごとく繰り返し現れるので長期にポジション維持するのも難しい。その日のうちに利が乗れば、喜んで手仕舞いできるが、引かされた場合はどう対処したらよいのだろうか。
   
 慣れた顧客(外務員?)はひとまず緊急避難の両建で様子を見る。最も安直な方法だが、意外と重宝されているようだ。ところが習熟期間中のお客様にはこの戦法が適用できない。
 委託者保護の規制強化で、初回入金の3分の1の建玉しか認められないからだ。
 新規顧客から300万円の証拠金を預託し、100万円分建玉をする。様子がおかしいので取り合えず両建して様子を見ようとしても、すでに3分の1の100万円分使っている。建玉の一部を損切りして3分の1を超えない範囲で両建てする、何の効果もないから、それなら思い切って損切りということになる。何も策を奔しないで、黙って追証を待つ。だが、迫証も許容額をオーバーするから損切りを強要することになる。利来せ、難平、両建、相場戦法はいろいろで、その時々によって用法も変わる。
 利乗せを得意とする人、難平を好んで安易に損切りしない人、すぐに両建で逃げる人もいる。一度のチャンスですべてが上手く行くわけではないので、仕掛けの場面は何回かに分けて想定するのが一般的な考え方だ。
 それが投下資金で売買が規制されているため、みすみす売買チャンスを逃す結果に陥っている。仮に3000万円預託した投資家がいるとする。この論でいけば2000万円は手空きとして残さなければいけないことになる。預けるだろうか、もっと有効な投資物件を探すのが普通である。証券の信用取引は大手証券では2000万円の税金担保を預託しないと取引ができない。お客さんは「20OO万円あれば何か株式を買っている」といって、全額引き出して中小証券で100万円の担保金を積んで取引を楽しんだ人がいる。投資家にとって手空きの現金ほど無駄なものはない。ということになる。
 規制が顧客の自由意志を奪って、顧客の成長を阻害している。業界の出来高不振、取組高の減少の最大原因がここにあるような気がしてならない。
(た)

 (2008年11月10日―第963号)                  

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