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ミニ化とミニ取引は似て非なるもの
沼野 龍男
 東工取の金先物ミニ取引のパンフレットには、@サイズが小さいので、少ない資金で金市場に参加できる。Aロスカット制度(損失額が事前に定めた限度額に達した場合、当該取引を終了させることもできる)を選べる。B現物受渡し義務が生じない、現金差金決済だけでよい。C帳入れ値段は標準取引と同じ。などと記載されている。
 他方、東穀取は一般大豆を09年10月限新甫から取引単位を現行の50トンから5分の1の10トンにミニ化することを発表した。取引単位のダウンサイジング(ミニ化)とミニ取引は全く異なる。
 平成2年の法改正で、先物取引の範囲は大幅に拡大され、指数先物取引、オプション取引と共に、現金決済取引も認められた。
 リスク許容度の低い投資家向けに開発した商品が「ミニ取引」ですよといわれても、違法ではないにしても、長い先物取引の歴史からすれば「先物まがい」との感がある。商品の生産、流通、加工販売に携わる業者が、小さいコスト(保険料的概念)でヘッジをし、かつ受渡は勿論、有利に転売、買戻しで決済できる高度な仕組みとして発達してきた。東南アジアのゴムのシッパーにとって、最も安全で信頼できるのが日本のゴム市場での取引であるといわれている。
 多数の売り手と買い手がそれぞれの思惑で市場で交錯する結果、時々刻々出現する価格(相場}が瞬時に世界に伝わり、次なる需要と供給の動因として働くわけである。余談だが、東南アジアの投機家にはいまだに日本の「小豆取引」に関心が高いと聞く。伝統的な商品であることに加えて、ワンストップで追証がかからないことにも起因している。商品設計の妙といえよう。
 筆者は8月11日付の本欄で、あるパチンコ店の新戦略について紹介した。1玉4円で買い3円で換金する(換金率75%)通常のものと1玉1円で買い50銭で換金する(換金率50%)システムを導入したところ、昔の客が帰ってきて店が忙しくなった、と。最近再びその店長に会う機会があり、その後の様子を聞いた。万年赤字だったその店舗がこの5ヵ月連続で黒字になっている、と語ってくれた。店長はじめ従業員の皆とんの並々ならぬ努力があってのことと思うが、これも異業者における「ミニ化、ダウンサイジング作戦」が的を得た例えだと思う。根底にあるものはお客様に対する「真のサービス精神」の具現化だろう。
 割高の受渡手数料やバーチャージがかかっても100gバーの現物を受取れるのならもっと多くの人に歓迎されると思うが。
(週刊 先物ジャーナル 08年11月3日 962号 掲載)

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