◇産構審・商取分科会
プロ市場化の推進と委託者トラブルの解消
不招請勧誘の禁止で意見対立
ビジネスモデルの転換は避けられない
◇“先物寸言”プロ・アマ規制論議に一言
◆くりっく365 2通貨ペアの上場延期
◆委託者情報照会制度 全員参加で、ネット取引から全取引に拡大
◆先物協会、取引所のあり方等を協議
◆東穀取の早期退職者13人
◆鉄スクラップ 試験上場一年延長
◆第7回TGA試験 11月に東京で開催
◆カーギルの子会社、東工取に会員加入
◆“先物文化”パフェット氏の投資哲学(4)
投資も取引も人間臭いもの
産構審・商取分科会
プロ市場化の推進と委託者トラブルの解消
不招請勧誘の禁止で意見対立
ビジネスモデルの転換は避けられない
産業構造審議会商品取引所分科会は15日、「プロ市場化の推進及び委託者トラブルの解消について」をテーマに活発な議論を展開した。
現状認識として、日本の商品先物市場は出来高の減少に伴い、その流動性が大きく減少して、公正な価格形成構能や適正なリスクヘッジ機能などが十分に発揮することが困難になつている。
また個人委託者の市場参入が減少傾向にあり、本来は主要な取引者であるべき当業者の市場参加もすすんでいない。
このような状況下で、事業者のリスク管理の場として商品先物市場の機能が十分に発揮されるには中小企業を含めた当業者や流動性供給者(機関投資家、金融機関など)の参加を促進して、いわゆるプロのリスクヘッジャーやリスクティカーを中心とした市場構造に転換する、即ちプロ市場化を推進する必要がある。
基本的な考え方は、取引員に対する一律の行為規制が有識者に過剰の規制となって先物市場の利用を損なっている。知識・経験・財産等の状況に照らしてリスク管理の適応力がある者は「プロ」として一連の行為規制の適用から除外、一方「アマ」に対しては従来どおり厳格な行為規制を課すことが、議論の中心にある。
金融商品取引法(金商法)におけるプロ・アマ規制にも触れたが、資産内容でのプロ規定には商品先物取引は合わない。証券業に認められている一任勘定の「ラップ口座」や取引の仲介業「IB制度」など業の拡大に向けた話がこの日のテーマでもあった。
◇IB制度の導入
現行法では何人とも商品先物市場における取引の委託の媒介、代理を業とすることは禁止されている。
近年、取引員が急減している中、商品先物市場への多様なアクセスを可能にするため、取引員とは別に顧客からの委託の媒介を業とする「商品取引仲介業者」(いわゆるIB制度)に関する制度を設けることが有効ではないか、「ラップ口座」と合せて意見が交わされた。
津谷委員(弁護士)は「一任するほどの信頼関係がない。企業の財務リスクもある。資産形成の場ではなく資産損失の場を提供している」と反対の意見。業界サイドは「参加チャンネルの拡大、不当行為による被害の拡大防止、情報提供サービスなどからIB導入に前向き」の意見が多かったが、手数料稼ぎなどの関係からプロ相手に限定するべきとの慎重論も聞かれた。荒井委員(日商協〉の「IB制度は保険代理業になるのか、歩合外務員として働くのか。いずれにしても委託者保護の観点からIBを利用する取引員が責任を持って対処する。IB参入規制は取引員と同様の規制が必要で代理、媒介も同様である」がよく整理された答えのようだ。◇不招請勧誘の禁止
商品取引所法では業務停止処分は最長6ヵ月、海先法では最長1年である。商取法も同様に1年にするか、8ヵ月になるか、不招請勧誘の問題が投げかけられた。
渡辺委員(東穀取〉は「流動性が低下して市場機能存亡の危機にある。いまは市場振興が第一。情報へのアクセス機会が少なくなることがよいことにはならない。自ら調べるか、セールスを介して知るか、マスコミ等によってか、知る機会は多様であれば、あるほど良い」
荒井委員「不招請勧誘の禁止は過剰な規制、不適当である。プロ化の流れの方向にむかっているが、一気にプロ化にはならない。分からないで市場に参加するのは困るが、個人も参加できることも大切。トラブルは間違いなく減少傾向にある」と導入に反対の意思表示。
大河内、唯根委員(消費者代表)は「プロの人たちが自由にできることはよい。消費者にとっては先物取引は怖い存在。誘わないで欲しい」と不招請勧誘の禁止を主張。
池尾委員(慶大教授)「プロ市場論になぜこんなに時間を費やしているのか。対面営業(個人営業)が背後にあるからだ。本当にプロ化するならエネルギーをそちらに向けているはずだ。覚悟が問われている」。確かに、時間ばかり費やしている感じがするが、プロ化市場に固執した考えはいかがなものか。
日本の先物市場は消費地市場としての特異な存在がある。生産国市場として発展した米国市場とは客層が根底から違っている。市場流動性があれば目ざとい一部のプロが市場参入してくることは考えられるが、膨大な量の期待はできない。流動性が低下する以前のオーダーが実証している。マネー市場化した米国市場の失墜から更にその期待は薄らいだ。
尾崎分科会長(早大教授)「ビジネスモデルは転換しなければならない、スピード感を持って。先物取引の広め方は勧誘に依存してよいのか、トラブル解消がみられなければ不招請勧誘の禁止が待っている。バランスの良い規制とは何か。代理・媒介・取次の法改正、プロ市場化の推進、プロアマ規制の具体論を次回に」
次回の会合は29日(水)午後4時から開催される。 |