原油相場の急落などを背景に、商品バブル(?)の終えん説まで囁かれだした。日本の商品先物市場は下げ〈価格の下落)に弱い習性があるせいか、8月だけで取組高は10万枚以上も減少している。
いま商品先物業界の喫緊の課題は、何と言っても「市場の流動性回復」(先物協会・加藤雅一会長)にあるが、その特効薬がないのが最大の難点。強いてあげるとすれば、商品市場の上昇基調不変にあるが、いまは相場も味方してくれない。怪我(委託者未収金の発生)をしないように、日々万全の注意を怠りなくするのが精一杯なのか…。
| 09年3月期 第1四半期決算 (単位:百万円) |
| 営業収益 | 営業利益 | 経常利益 | 四半期純利益 |
| エース交易 | 1,162 | △522 | △486 | △629 |
| 岡藤HD | 1,434 | △742 | △630 | △701 |
| 小林洋行 | 1,277 | △455 | △406 | 229 |
| スターHD | 839 | △202 | △201 | △130 |
| 第一商品 | 1,557 | △296 | △279 | △213 |
| フジトミ | 738 | 118 | 137 | 32 |
| 豊商事 | 1,296 | △158 | △113 | △66 |
| ユニコムGHD | 2,707 | △314 | △166 | △190 |
上場会社の第1四半期決算が発表された。日本の景気が後退局面に入ったことを実証するかのように減収減益の企業が多かったようだ。日本の株価低迷はそのまま証券会社の決算を現している。同様に、商品先物業界の現状はそのまま取引員の決算内容(右表参照)に現れている。上場8社のうち、営業利益は1社だけの惨憺たる結果となった。
4〜6月の売買高は2555万枚、前年同期比28.4%減。業界の出来高不振が企業収益を大きく圧迫したことは誰が見ても明らかなこと。出来高の不振は市場の流動性低下を意味する。
「市場の流動性」は取組高によって確保される。その取組高の減少に、一向に歯止めがかからない。7月の後半に東穀取の取組が20万枚を割り込み、8月20日現在15万枚台まで減少している。東工取も40万枚から35万枚台に水準を下げている。単品で10万枚の取組を持つのは金市場だけ。それも金価格の下落とともに取組高は減少傾向にあり、金ミニ市場への逃避も限りがあるので早晩10万枚を割り込むとの見方が有力だ。
21日付の日本経済新聞・商品欄のインタビュー記事で出光興産の天坊昭彦社長は「石油製品の卸価格を市場価格に連動させて、毎週見直す。そうすれば卸や小売業者、消費者にもわかりやすい価格になる」、その値決めとなる指標価格は「東京工業品取引所の期近相場などを指標にする」としている。指標化にあたり天坊社長は東工取に対して「流動性をもっと高めて欲しい。流動性が低いとわずかな取引で相場が振幅してストップ高、ストップ安たなり信用が低下する」と注文を付けた。
いまはディ・トレード(日計り商い)が主流だから、取組高は関係ないという市場関係者もいるようだが、ザラバ取引の東工取の日計り商いでも全体の15%程度しかない。取組高の多い商品が出来高を増やしていることは実証ずみである。出来高よりも、取組高を重視したい。出来高は結果的に後からついてくる。