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三つのFの絡みは解けない
   
 三つのFというのは、石油など燃料(Fuel)、とうもろこしなど食料(Food)、そしてファンド(Fund)または金融(Finance)を指している。これら三つのFの絡みで、いまの世界経済はにっちもさっちもいかない窮地に追い込まれている。
 原油の先高を見越して、ファンドが積極的に先物買いを続ける結果、原油価格は信じ難い高水準に達してしまった。原油高に悲鳴をあげて、バイオエネルギーに転化する動きが加速しているが、世界最大の穀物生産国であるアメリカでは、とうもろこしからエタノールをつくる方法に特化しているようだ。
 かつて1920年代の禁酒法時代には、とうもろこしからウィスキーを密造するマフィアが暗躍した。家庭でも地下室に小型の蒸留器を隠し備えて、密造酒をつくっていたというから、とうもろこしを燃料として使うことに違和感がないのかも知れない。農家にしても、食料用に売るよりは高収入になるというので、エタノール・メーカーに売りたがるのは当然だろう。
 しかし、食料としてのとうもろこし価格が上がると、小麦など他の穀物にも伝播して、世界的に深刻な食料問題を引き起こすことになる。それが現に起きているのである。なかでも、家計費に占める食料費の比率が大きいアフリカやアジアの最貧国では、食料価格の高騰は死活問題である。
 そんなさ中のG8洞爺湖サミット開催だから、起死回生の妙薬は期待薄だとしても、何か現状打破の同意や決定がでるのではないかと、内心注目していた。ところが、2050年までに温暖化ガス排出量を半減するという目標を世界各国で共有し、その交渉を国連に委ねることでは同意できたものの、喫緊の課題である三つのFの絡みの解決に関しては、何の決定も同意もできなかった。これでは、G8の鼎(かなえ〉の軽重を問われても仕方あるまい。
 つまり、原油高騰に始まり、それがバイオエネルギーへのシフトを呼び込んだ結果、食料価格の騰貴をもたらした。その端緒になったのがへッジファンドを中心とした投機資金の監視や規制をもっと真剣に討議すべきだが、G8が討議を尽くした形跡はない。
 投機資金規制に反対したのはアメリカだう。アメリカは原油高騰の主因は産油国の過少生産力にあるとの主張を崩さず、また資金規制を基本的に嫌う体質がある。そのアメリカをいかにして取り込むかが、これからの課題となる。
(種二)
(週刊 先物ジャーナル 08年7月28日 949号 掲載)

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