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価格変動をカバーできる証拠金を
  
 商品先物業界は金の上場以来、貴金属、石油製品、コーンなどの上場で発展拡大の道を歩んできた。往年の商品で残っているのは実質的には小豆だけとなっている。そしていま(この2、3年)行為規制の強化でテレコールができなくなったことや、紛議リスクの表面化により、従前の営業方法では通用しなくなり、その転換期に入っているための苦しみともいえる出来高不振に喘いでいる。
 営業手法の問題もあるが制度的な問題も気になるところである。東工取では新システム以降後は値幅制限をなくすということを決定している。機関投資家や商社、外資は良いかも知れないが、価格変動リスクが拡大する大衆投機家にとっては多大なリスクが発生することになる。現在、灯油の値幅制限は360O円、1枚当たり18万円である。制限幅で追加証拠金が発生すると考えると安全圏の証拠金は36万円前後のものになる。
 石油製品は値動きが荒くて顧客が痛むということで敬遠されているが、それは委託証拠金が安過ぎるということがある。証券の信用取引の保証金あるいは米国の取引所の証拠金が厚く、価格変動に対して証拠金が安いのは日本の商品先物取引のみである。
 金が上場された時、当時の通産省が紛議を起させないとう意思の基に高額な証拠金を課したことがある。商いは活発化しなかったが紛議は発生せず、軌道に乗ってきている。証拠金を安くすれば利益や損失も早く、商いが活発化するという出来高至上主義に取引員も取引所もはまっていたのではないだろうか。商い不振の時には証拠金引き下げが行なわれことがあるが、第一線の営業マンは概ね反対し、厚めの証拠金に賛成していた。
 顧客に儲けてもらう、利益を挙げてもらうためには、損をさせないということになる。そのためには証拠金に対するレバレッジを落とすいうことが必要であろう。現在の出来高不振の時代だからこそ顧客を大事にするためにも価格変動に見合った証拠金を設定していくべきであろう。プロ化市場を目指しているので大衆投機家は必要ないという論理ではなく、リスクテーカーの存在が無い市場の方が不健全だと思うが。
(元)
(週刊 先物ジャーナル 08年7月14日 947号 掲載)

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